キャンプの必需品 ナイフを正しく扱えるようにしよう

ナイフの基本的なテクニックは、大人にも子どもにも身につけてほしいものです。慣れないうちは危険がともないますので、子どもだけでは絶対に扱わせず、大人が責任をもって手ほどきをしましょう。撮影:松井 進
鋭い刃で木を削ったり、ロープを切ったり……。キャンプでナイフを1本持っていればいろいろな場面で活躍します。アウトドアライフアドバイザーの寒川 一(さんがわ・はじめ)さんは、「扱い方を覚え、そのスキルが上達していくことで、楽しさがどんどん広がっていきます」と話します。

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■キャンプでのナイフはほかに替えのきかないもの

キャンプにおいて、ナイフは必須といってかまわない重要な道具の1つです。
薪を少し細くしようと思っても、小枝で箸や串をつくろうと思っても、ナイフがなければできません。キャンプでは、自分たちが持ってきた道具と、自然環境にあるものでやりくりするのが、基本的な考え方。ナイフのあるなしによって、できることに大きな差が生まれてしまうのです。
一方、ふだんの生活の中で、いつもナイフを使っているという人はまれでしょう。環境の整った現代の暮らしのなかでは、ナイフの出番はあまりないからです。家の中にある刃物は、カッター、はさみ、包丁など、決して少なくはありませんが、それぞれの用途がほぼ決まっており、別の用途に使うことは少ないといえます。刃の見えない小さな鉛筆削りなら、クルクル回すだけで削れてしまい、刃物を使っているという感覚すらありません。
一方、キャンプで使うナイフは、いろいろな用途に使われ、しかも代替品がありません。それゆえ欠かせないものの1つなのです。

■正しい扱い方を覚えれば安全なツールとなる

いきなり刃物を使うのはハードルが高い……。そう思われる人もいるでしょう。しかし、小学校の授業でもナイフやカッターを使って鉛筆を削る練習をしますし、版画で使う彫刻刀も立派な刃物です。料理をする人なら日常的に包丁を使って食材を切りますが、包丁も刃物です。
私たちはふだんから、いろいろなタイプの刃物を扱っているにもかかわらず、なぜナイフにだけハードルの高さを感じるのでしょうか。それはおそらく、独特の形と、扱った経験の少なさからくる不安によるものだと思います。
北欧の国では小さい子どもにもナイフを持たせ、安全に扱う方法を学ばせます。先入観のない子どもが、ナイフの危険性や特性も含めて正しく理解できれば、大人よりもきちんとナイフを扱えるようになります。
ナイフは扱う人の年齢よりも、いかに正しく扱うかという姿勢が重要なのです。
■『NHK趣味どきっ!たのしく防災!はじめてのキャンプ』より

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