藤沢里菜四段vs.黒嘉嘉七段 女流棋士の真剣勝負
- 撮影:小松士郎
日本の女流囲碁界でトップを走る藤沢里菜四段。最近は国内のみならず、韓国女子囲碁リーグにも積極的に参加。厳しい環境で経験を積み、さらなる飛躍を目指している。対するは台湾の黒嘉嘉七段。台湾の棋戦での活躍は当然のことながら、国際棋戦でも準優勝を挙げるなど実績は十分だ。
1月3日のEテレ「新春スペシャル囲碁対局」にて日本と台湾を代表する女流棋士の真剣勝負が実現した。
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■忍耐強い藤沢里菜
強い棋士はとにかく我慢がきく。劣勢な状況でも決め手を与えずに粘り強く戦い、逆転のチャンスを虎視たんたんと狙うのだ。
本局の藤沢は忍耐強かった。もともと派手に打ち回すタイプではないが、それでも劣勢のときに慌てないのは精神的に強い証拠。まだ21歳という若さだが日本女流囲碁界の第一人者として、国内外での経験の積み重ねが自信になっているのだろう。
■冷静な黒嘉嘉
黒の棋風はとにかく冷静。本局も落ち着いた対局運びが光っていた。しかも、盤上のみならず、対局中はほとんど顔色を変えないという徹底ぶり。黒にその心がけの真意を確かめてみると「小さいころからそうでした」と特に意識はしていないようだ。
どんな場面でも冷静さを保てるのは、勝負師には必須の条件である。黒は自然体の冷静さを武器に国内外で大活躍している。
※観戦記はテキストに掲載しています。
※肩書はテキスト掲載当時のものです。
■『NHK囲碁講座』2020年2月号より
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