同じ科の野菜を続けて作るとどうなる?
同じ場所で同じ科の野菜を続けて育てると、生育が悪くなったり、病害虫の被害にあいやすくなったりする連作障害。じつは、これにも畑の菌が大きく関係しています。元明治大学黒川農場特任教授で農学博士の藤原俊六郎(ふじわら・しゅんろくろう)さんがその仕組みを解説してくれました。
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■病原菌を抑える力が弱くなる
野菜の根からは、さまざまな物質が分泌されています。これをエサに、根のまわりには多くの菌が集まってきますが、菌には好き嫌いがあります。一方の野菜も科が同じであれば、同じような物質を根から分泌します。そのため、同じ科の野菜を続けて作る「連作」をすると、その根のまわりには同じような菌ばかりが集まってしまいます。
この連載で紹介してきたように、畑の菌はさまざまな種類がバランスよくいることが大切です。多様な菌がいれば、病原菌をやっつける菌や、根に病原菌が近づかないように働く菌によって、病原菌の活動が抑えられます。連作をすると菌の種類が偏り、この「病原菌を抑える働き」が弱まってしまうのです。
■病原菌が増えて土壌病害が起きる
連作障害の最大の原因が、土の中にいる病原菌によって引き起こされる土壌病害です。根から侵入した病原菌(土壌病原菌)が、野菜のさまざまな部分に入り込んで、病気を発生させたり、水や養分の移動を妨げて野菜を枯らしたりします。ナス科に発生する青枯(あおがれ)病、ウリ科に発生するつる割(われ)病、アブラナ科に発生する根こぶ病など、病原菌の種類ごとに、寄生する科が決まっていることが特徴です。
連作によって病原菌の活動を抑える力が弱まると、この土壌病原菌が根から侵入し、野菜の体内で増えます。病原菌は、野菜を収穫したあとも土中に残った根の中や表面で生き残ります。そこに同じ科の野菜の根が伸びてくれば、病原菌は寄生先を新しい野菜に替えて、さらに増えていきます。
連作を続けると、この過程が繰り返されて病原菌の密度が高くなり、被害が大きくなっていくのです。このとき、同じ科の野菜を次に作るまでの間隔が短いほど、生き残る菌の割合が高くなり、病原菌が増えるスピードも速くなります。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』連載「地力アップ! 畑の菌活」2020年2・3月号より
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■病原菌を抑える力が弱くなる
野菜の根からは、さまざまな物質が分泌されています。これをエサに、根のまわりには多くの菌が集まってきますが、菌には好き嫌いがあります。一方の野菜も科が同じであれば、同じような物質を根から分泌します。そのため、同じ科の野菜を続けて作る「連作」をすると、その根のまわりには同じような菌ばかりが集まってしまいます。
この連載で紹介してきたように、畑の菌はさまざまな種類がバランスよくいることが大切です。多様な菌がいれば、病原菌をやっつける菌や、根に病原菌が近づかないように働く菌によって、病原菌の活動が抑えられます。連作をすると菌の種類が偏り、この「病原菌を抑える働き」が弱まってしまうのです。
■病原菌が増えて土壌病害が起きる
連作障害の最大の原因が、土の中にいる病原菌によって引き起こされる土壌病害です。根から侵入した病原菌(土壌病原菌)が、野菜のさまざまな部分に入り込んで、病気を発生させたり、水や養分の移動を妨げて野菜を枯らしたりします。ナス科に発生する青枯(あおがれ)病、ウリ科に発生するつる割(われ)病、アブラナ科に発生する根こぶ病など、病原菌の種類ごとに、寄生する科が決まっていることが特徴です。
連作によって病原菌の活動を抑える力が弱まると、この土壌病原菌が根から侵入し、野菜の体内で増えます。病原菌は、野菜を収穫したあとも土中に残った根の中や表面で生き残ります。そこに同じ科の野菜の根が伸びてくれば、病原菌は寄生先を新しい野菜に替えて、さらに増えていきます。
連作を続けると、この過程が繰り返されて病原菌の密度が高くなり、被害が大きくなっていくのです。このとき、同じ科の野菜を次に作るまでの間隔が短いほど、生き残る菌の割合が高くなり、病原菌が増えるスピードも速くなります。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』連載「地力アップ! 畑の菌活」2020年2・3月号より
- 『NHK趣味の園芸やさいの時間 2020年 02 月号 [雑誌]』
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