一本杉のようになってしまったバラはどう直す?

蕾を手で摘み取る。開花は遅れるが、まもなく次の新芽が上がって花も楽しめる 撮影:田中雅也
2019年11月25 日から12月8日までWEBサイト「みんなの趣味の園芸」にて、バラ育種家の木村卓功(きむら・たくのり)さん宛てに、バラ栽培に関するギモンを募集しました。熱い思いが詰まった274通の質問の中から、一通ご紹介します。

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■Q 一本杉の樹形の直し方は?

ハイブリッド・ティー・ローズを鉢で育てています。日なたの風通しがよい場所に置いていますが、枝数が減り、一本杉のようになってしまいました。元のように2〜3本立ちに仕立て直すことはできますか? (埼玉県/doramiさん)

■A:シュートを出して樹形を回復させる

これからの管理しだいで回復させることができます。新しいシュートを出させることに専念しましょう。
まず大切なのが、株に余分なエネルギーを使わせないことです。花を咲かせることはバラにとって多大な負担となりますから、蕾に色がつかない小さいうちに、指で摘み取るソフトピンチ(写真)を繰り返し、株を疲れさせないようにしましょう。
また、葉を落としてしまうと、光合成ができず養分をつくり出すことができなくなります。耐病性の強くない品種であれば薬剤散布も行いながら、黒星病などで葉を落とさないように管理します。
冬の休眠期であれば、土の見直しも行いましょう。地面を境に、バラは地上部と地下部がシンメトリーになっているので、地上の枝ぶりをよくしたいと思ったら、地下部の根を健康に張らせることが必要です。2月号で紹介した培養土で、鉢バラなら鉢増しや用土替えを、庭植えのバラなら株張りと同程度の範囲に堆肥をまいて耕す中耕を行いましょう。その際、太い根は切らないように注意します。
なお、新しい根を伸ばそうというこの時期に、過剰な肥料はかえってマイナスです。根に直接触れない場所に、適量だけ施すようにします。
しっかり根を張らせ、養分の無駄使いをさせなければ、シュートがどんどん上がってきて、樹形も回復させられるでしょう。
■『NHK趣味の園芸』2020年3月号より

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