コチョウランは何はなくとも窓際に!

窓辺であれば、一年中室内で育てることも可能です。撮影:田中雅也
コチョウランのシンプルで正しい室内管理の方法をご紹介します。思い込みなどからくる失敗、落とし穴を上手に回避して、楽しく長くコチョウランを楽しみましょう! 教えてくださったのは園芸研究家の富山昌克(とみやま・まさかつ)さんです。

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■「〜でなければならない」って思い込みは禁物!

開花期も長く、一年中入手ができるコチョウラン。花が終わっても上手に育てれば、毎年花を咲かせてくれます。でもなかには、せっかく開花鉢をもらったからと、室内奥に飾ったり、草花にするように水やりしている方がいます。また鉢から根が飛び出したらすぐ切ったり、鉢はテーブルの上に置くものと思い込んでいたりするのも正しい理解とはいえません。
もともと丈夫なコチョウラン。ちょっとしたコツをおさえて、今日からでも栽培にチャレンジしてみましょう。
今回は、寒さに強いミディ系のアマビリスをメインに、コチョウランにとって快適な管理を、室内で栽培することを前提にご紹介します。あなたが熟成させた株は、きっと長く楽しめ、愛着のわく、すてきなものとなるでしょう。

■置き場:何はなくとも窓際に!

室内での置き場は、窓際がベストポジションです。窓がどの方角に向いていようと大丈夫。北向きなら、北向きなりの日ざしに慣れて育っていきます。
長時間の直射日光は葉焼けの原因となるため、日ざしの強い窓際に置くならレースのカーテンを引くか、窓際から20~30cm離れた位置に置くといいでしょう。
冬から春は、気温自体はあまり上がりませんが、太陽は低い位置で移動し、日ざしは水平気味に窓からさし込みます。この時期の直射日光は、思ったよりも強いということを覚えておいてください。盛夏でなくとも、前述の日ざし対策は必要です。
冬場は外気が影響しない位置、窓から15cmほど離して置きます。カーテンがあっても、丈が短いとその下から冷気が漏れてきます。風通しのことも考えて、目の高さくらいの位置に置き、明け方の一番寒い時間帯に15℃を下回らないようにするのが目安です。

■意外に快適な洗濯物の陰

植物にとっても有害な紫外線も、適度な量であれば葉などを強くすることが期待できます。そのために関東地方以西なら6月上旬あたりから、戸外の半日陰に出すという管理方法もあります。コチョウランの好む半日陰の目安は、白い布地を透過した穏やかな日ざし程度。例えば洗濯物の白いバスタオルの陰などがちょうどいい場所なのです。
※テキストでは水やりの正しい方法も紹介しています。
■『NHK趣味の園芸』2020年3月号より

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