兵庫県のクリスマスローズガーデンを訪ねて

風に吹かれるままにタネが飛び、石段のすき間や木々の根元と、自由に芽を出す。撮影:竹前 朗
兵庫県の山あい、緑と水に囲まれた場所に生川初恵さんの庭はあります。山の地形そのままの傾斜地に、2株のクリスマスローズを植えたのは20年前。今では、庭いっぱいに花を咲かせるようになりました。「クリスマスローズのおかげで、この土地に根を張れました」という生川さんに、クリスマスローズへの思いを伺いました。

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大阪で仕事をしながら定年後のことも見据え、兵庫県加東市にセカンドハウスを購入したのがおよそ20年前。その当時は園芸をしようとか、庭をつくろうとか、そういう思いはまったくありませんでした。
たまたま引っ越しのとき、ご近所の方がクリスマスローズを2株譲ってくれて。それがわが家のクリスマスローズガーデンの始まりです。最初に見たときは「なんて変な花なんだろう」と思いました。だって花びらには“てんてん(スポット)”があり、しかも下を向いて咲いているんですもの。
その2株を庭に植えたところ、こぼれダネでどんどんふえていきました。うちの庭は傾斜地で水はけもよく、気候もクリスマスローズに合っていたんでしょうね。そして突然、元の2株とはまったく姿の違う、かわいいピンク色の花弁の多い花が咲いたときは驚きました。
だんだんと近くに住む人から注目されるようになり、少しずつ株を買い足すうちに、いつのまにか庭中に何百株と咲くように。
10年ほど前から、3月にオープンガーデンを開いています。7年前に亡くなった夫も、花の名前を一つ一つ図鑑などで調べ木札をつくるなど、一緒に協力してくれて開催に至りました。
クリスマスローズのだいご味はなんといってもその咲き始めのかわいらしさです。寒くなると、真っ先に真っ白なニゲルがポツポツと咲き始め、2月の中旬、庭の斜面や階段の端などあちこちに、小さな花が咲きます。この時期が、私は大好き。
※続きはテキストでお楽しみください。
■『NHK趣味の園芸』2020年2月号より

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