手軽にできる新年のしつらい

木箱を花器に、花をお節に見立てた新年のしつらい。箱の中はセロファンのシートで養生し、吸水性スポンジをセット。上にミズゴケを敷きつめ、大輪のキクを中央に、周囲にはツバキやマツ、ヒバ、シダ・シースターなどの葉を挿している。撮影:大森忠明
お正月は、過ぎた一年の出来事に思いをはせつつ、新しい一年も安らかに暮らせるよう願うときです。いつもの空間をちょっとお正月らしく。花を使って新春のしつらいをしましょう。とはいっても、大がかりな準備ではなく、初めてでも手軽にできるものばかり。縁起物や、手づくりのお飾りなどを添えて、新しい年を気持ちよく迎えてください。教えてくださるのは、フラワースタイリストの平井かずみさんです。

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新年のしつらいというと、いつもより華やかに、何か特別なことをしなければと思いがちです。でも、縁起物をほんの少し取り入れるだけで、お正月の雰囲気は生まれます。
たとえば、冬に色鮮やかな赤い実をつけるナンテン。「難を転ずる」に通じることから、縁起のよい木として、お正月のお飾りや切り花に使われます。そんな縁起物を1つあしらうだけで、日常の空間がお正月仕様に変わります。


緑の葉はシダの仲間で、お正月飾りに使われるヒカゲノカズラ。つるのように長く伸びてしなやか。その特徴をいかして、くるくる丸めて枝の切り口を水につけ、ピンクのコチョウランの花と生けると和モダンな印象に。


お正月の小物を並べるだけでも新年のしつらいに。右から時計回りに、ナンテンの実、水引、和紙を巻いた炭、マツバ、ぽち袋、柑橘(「橘」の発音が「吉」に通じるため縁起物と聞いたことがあり)。折敷(おしき)に置くことで、すっきりまとまる。


■『NHK趣味どきっ!花と暮らす』より

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