囲碁界でいちばん“熱い”戦い – 第40回 少年少女囲碁大会全国大会

撮影:小松士郎
第40回文部科学大臣杯 少年少女囲碁大会全国大会が連日猛暑が続く、7月30日、31日の両日にわたり、開催された。全国各地の選手たちが小学生・中学生それぞれ101人ずつ。熱気に満ちあふれる本大会の栄冠を手にしたのはいったい誰だろうか?

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少年少女囲碁大会全国大会は歴史が長く、過去の小学生の部の優勝者に限っても、実に21人もの棋士を輩出している。掛値なしに、将来の日本囲碁界を背負って立つ人が出てくるかもしれない。
そんなことを考えながら子どもたちの様子を見ると、そこかしこで笑顔がはじけ、友達と楽しげにしゃべっていた。そうか、大人たちの勝手な期待とは裏腹に、子どもたちは今を楽しんでいるのだな、と感じた。

■群雄割拠

優勝候補と目された選手が次々と姿を消し、まさに群雄割拠の様相だ。昨年優勝の川畑拓也くん(沖縄・浦添市立港川小4年)はなんと一次リーグで敗退。「去年優勝し、今年はプレッシャーを感じてしまった。いい碁が打てず悔しい」と語った。AIの活用はもはや当たり前で、地域格差はなきに等しい。
混戦模様の中、決勝へ駒を進めたのは後藤一(はじむ)くん(京都・京都市立向島藤の木小6年)と北野圭亮くん(兵庫・西宮市立鳴尾小6年)だ。両者とも昨年は一次リーグ敗退。「2日目に初めて残って興奮した」と口をそろえた。
そんな二人の決勝戦は、高ぶった心が盤面に映りだされたかのごとく、序盤からコウが絡んだ激戦に。この折衝で優位に立った白番の後藤くんがそのまま逃げ切り19目半勝ちとなった。
後藤くんは「全体的に苦しい碁が多く、特に決勝の碁は危なかった。優勝できてとてもうれしい」と喜びをあらわにした。
※決勝戦の棋譜と観戦記をテキストに掲載しています。
文:村上深
■『NHK囲碁講座』2019年11月号より

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