梅雨のジメジメを吹き飛ばす! 蛇腹きゅうりの甘酢漬けと豚肉の炒め物

撮影:野口健志
坂田阿希子(さかた・あきこ)さんが、野菜の中でいちばん好きなきゅうりを使った爽やかな炒め物を教えてくれました。

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「いちばん好きな野菜は?」と聞かれたら、何の迷いもなく「きゅうり!」と答える。大きな声できっぱりと! 夏野菜の代表格のきゅうりだけど、私は年中きゅうりを食べる。あのみずみずしさと青々しい味と香り。シャキシャキ、カリカリの歯触り。どこをとっても大好きな野菜。こんなに清涼感のある野菜ってほかにはないのではなかろうか。
梅雨のジメジメを吹き飛ばすために、この季節には特にたっぷり食べたくなる。そんなとき、まとめてつくるのが、この「蛇腹きゅうりの甘酢漬け」。思えば実家の食卓には甘酢漬けのきゅうりが本当によく登場した。蛇腹切りにすると味が早くなじみ、歯触りは繊細になる。たことあえたり、ちらしずしの薬味になったり、刻んでタルタルソースのピクルスがわりにしたりと大活躍。今でもきゅうりは蛇腹切りが好きなのは、幼いころから食べ慣れたこの食感がとにかく気に入っているからだと思う。最近のお気に入りが、今回ご紹介する「蛇腹きゅうりの甘酢漬けと豚肉の炒め物」。豚肉とチャチャッと炒めて、はい、でき上がり。
まずはきゅうりの切り方。しまむきにしたきゅうりをまな板に置き、切り離さないように、でも深めに、端から細かく斜めに切り目を入れていきます。裏返して同じ要領で切り目を入れます。これでクネクネきゅうりのでき上がり。塩をまぶすとあっという間に水分が出てきてシナシナになります。水けを絞って、熱くした甘酢をかけて味をなじませます。冷めたら保存容器に入れて冷蔵庫へ。1週間はいろいろ楽しめます。
豚バラ肉は3cm幅に切り、しょうゆ、黒こしょう、かたくり粉で下味を。このかたくり粉が最後に軽くとろみをもたせ、きゅうりに味がよくからむようになるので重要ポイント。
蛇腹きゅうりも2~3cm長さに切ります。フライパンにごま油を熱して花椒(ホワジャオ)を炒め、香りがたったら赤とうがらし、にんにくを。豚肉を加えて強火で炒めたら、最後にきゅうり! きゅうりにはしっかり甘酢がしみ込んでいるので、豚肉にもピッタリな味わいです。鍋肌から紹興酒としょうゆを回しかけ、ざっとあおって完成。私はアクセントに黒酢を仕上げに入れます。これでコクがグッと出ますよ。きゅうりの漬け汁を入れても爽やかでおいしいです。
豚肉の脂と花椒のしびれる感じ、きゅうりの酸味と甘み。そして蛇腹の歯触り。これが一体になった大好きな炒め物。ぜひ試してみてください。
ただし、困ったことが1つだけ。とにかく白いご飯がすすむこと!
※詳しい分量とつくり方はテキストに掲載しています。
■『NHKきょうの料理ビギナーズ』2019年6月号より

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