トロピカルフルーツ、日本でも育てられるの?

撮影:木村 琢也
『趣味の園芸』2019年6月号の巻頭企画は「大特集 トロピカルフルーツであなたの家を楽園に」。ライチにバナナ、アボカドといった南国の果樹の育て方を徹底解説しています。食べたことはあるけれど、植物としてはよく知らない……。そんなトロピカルフルーツにまつわる誤解を解いて、もっと親しくなりましょう! 教えてくださるのは、果樹研究家の大森直樹(おおもり・なおき)さんです。

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■誤解1 高い温度じゃないと育てられない!?

たしかに高い温度を維持しないと枯れる種類もあります。でも、トロピカルフルーツ(熱帯果樹)といっても厳密にいえば「亜熱帯」の果樹であることも多いのです。亜熱帯果樹は、温室など特別な施設でなければつくり出せない高い温度を必要としません。関東地方以西の温暖な地域なら、日本でもほぼ戸外で栽培でき、十分結実を期待できます。なお、今回テキストの特集でご紹介しているのはすべて亜熱帯果樹です。果実を期待して育てるなら「亜熱帯果樹」。これさえ守れば大丈夫です。

■誤解2 庭がないから収穫できない!?

地植えにして大きく育てなければ実がならない、と考えている人も多いかと思います。
しかし、トロピカルフルーツに限らず、果樹はおおむね地植えにしなくても収穫できます。また、鉢植えにすれば、冬の過度な低温から守るために、室内に入れたり、戸外の日なたに移動させたりすることも可能です。正しく管理すれば、十分に結実を期待することはできるのです。

■誤解3 自分で育ててもおいしいの?

せっかく育てても、市販のものに比べて味が落ちるものだとしたら、あまり意味はありません。でも本当にそうでしょうか。
収穫後に劣化しやすい果物は、完熟前に早どりをします。輸送のために冷凍加工をしたり、検疫のために蒸熱や温湯で消毒を施したりする果物もあります。つまり、自宅で収穫するほうが断然おいしいのです。また、自宅でたくさん収穫できれば、生ジュースにして楽しむなど、市販のものとはひと味違った楽しみ方もできます。
甘さや酸味など味わいが多岐にわたるトロピカルフルーツなら、複数の種類の果実を使って、これまで考えなかったような楽しみ方がどんどん広がることでしょう。

■結論!

だからトロピカルフルーツを家で育てて収穫してみましょう! どんなトロピカルフルーツを選べばいいのか……。それはテキストの特集をご覧ください!
■『NHK趣味の園芸』2019年6月号より

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