おいしい鶏のから揚げの秘密は「ネチンネチン方式」

撮影:野口健志
大人も子どもも大好きな「鶏のから揚げ」。坂田阿希子(さかた・あきこ)さんのから揚げは「ネチンネチン方式」がおいしさの秘密なのだとか。

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「鶏のから揚げ」が嫌いな人っているんだろうか?。
お弁当のおかずの人気投票をしたって、きっとナンバー3の中には入っているだろう。いつだって大人気のから揚げ。小さいころ、よくおつかいに行かされた、坂の上のお肉屋さんのから揚げはちょっと変わっていた。おまけに紙に包んでひょいっと私にくれるのだけど、何とも言えない味つけだったよなぁ。帰り道にこっそり独り占めして食べるのが楽しみだった。
私もから揚げは大好き。油がきれて表面はサクッと、かじればジュワッとジューシー、それでいて味もしっかりとついて、しょうがの風味が鼻から抜けるような……そんなから揚げを目指し、今はこのレシピが大のお気に入りです。おいしさの秘密は名づけて「ネチンネチン方式」。ぜひお試しあれ!
まず、鶏肉を準備。私はもも肉とむね肉、両方を必ず用意します。もも肉は脂も程よくジューシーに。そして、むね肉は淡泊ながらしっとりと柔らかな食感になって、どちらのおいしさも楽しめる、というのがいいのです。肉は堂々と大きめに切りましょう。ハムッとかんだときのジューシーさと肉々しさを感じるにはある程度の大きさが大事。だいたい、1枚を4~6等分に切ります。
次は下味。脂の少ないむね肉にはごま油をまぶします。これ、しっとり仕上がるポイントです。それぞれにたっぷりのおろししょうがと、アクセント程度のおろしにんにく、調味料を加えてもみ込み、常温で30分間ほどおいてなじませます。これに衣をつけて揚げるのが通常のやり方。
が、しかし、ネチンネチン方式はここからが見せ場です。
ここに小麦粉を加えてもみ込む。すると、下味の液体が小麦粉と一緒になってネチンネチン状態になり、鶏肉にすべての調味料がつく、ということになります。ネチンネチンの状態が大事なので、足りなければ小麦粉を足してください。ネチンネチンになった鶏肉に、かたくり粉をまぶします。仕上げはかたくり粉、というのが私の好み。小麦粉でもいいのですが、かたくり粉の揚げたときのサクサク感、そして、見た目がうっすら白く粉が吹いた感じになるのが好き。
さぁ、揚げていきましょう。170℃くらいの中温の油に入れ、表面が薄く色づいてきたら時々返しながら揚げていきます。あぁ、おいしそうなにおいもしてきましたよ。泡が小さくなって、持ち上げたときに軽くなるのが揚げ上がりの目安。最後に火を強めてさらにサクッと揚げましょう。付け合わせのししとうや甘長とうがらしは最初に素揚げしておきます。
たっぷりと盛りつけたら、揚げたてにすだちをキュッと搾って食べてみてください。アツアツ、ホカホカはもちろん、冷めてもおいしいから揚げ。冷たいビールにもハイボールにもぴったんこ。ジューシーで食べごたえのあるもも肉、しっとりとして柔らかいむね肉。あなたのお好みはどちらですか?
※詳しい分量とつくり方はテキストに掲載しています。
■『NHKきょうの料理ビギナーズ』2019年2月号より

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