佐藤紳哉七段が長考する理由

撮影:藤田浩司
長考派として知られる佐藤紳哉(さとう・しんや)七段。長考中はどんなふうに思考を巡らせているのでしょうか。

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持ち時間の使い方は人によってさまざま。早見え早指しの棋士といえば鈴木大介九段や糸谷哲郎八段、長考派の棋士といえば加藤一二三九段や郷田真隆九段でしょうか。私は長考派です。
よく「長考ではどんなふうに考えているのですか」と聞かれます。私の場合は30分考えていたら新しい手が見えて、少しずつ読みが進展するという感じですね。
ただ、長考したあとはいい手を指さないと、時間は少なくなるし、疲労も蓄積して苦しくなります。私の最長記録は2008年の竜王戦での2時間27分。このときは幸い勝つことができました。
将棋では第一感で「この手だ」とピンと来たときの感動もありますが、長考して読みを進めて、常識的な感覚とは違った例外的な好手を発見できたときなどはうれしいものです。
■『NHK将棋講座』2018年8月号より

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