初めてのバラ栽培 失敗しない品種選び

庭で育てたバラでも、こんなにすてきな花束をつくることができます。撮影:桜野良充
テキスト『趣味の園芸』では、2018年4月号より年間企画「バラと暮らす12か月」がスタートしました。バラは難しそう、何から始めてよいかわからないという方もご一緒に、これから1年バラ栽培を学びましょう。まず、バラ育種家の河合伸志(かわい・たかし)さんに、失敗しない品種を選ぶポイントを教えてもらいました。

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バラの品種を選ぶときは、一目惚れで即決せずに、病気に強いかどうかを確認することが大切です。なぜ病気に強い品種を選ぶのか、その理由を解説します。

■1 病気に強いバラを選ぶ

バラの栽培が難しい最大の理由は、黒星病の存在です。バラはこの病気で落葉すると、光合成ができなくなるため、生育が著しく悪化します。黒星病は雨と密接に関連し、バラの生育期に雨が多い日本では発生しやすい病気です。黒星病への耐性は品種間の差がとても大きいので、雨に当たる環境下で栽培する場合は、黒星病耐性が強い品種を選ぶ必要があります。
雨よけがあるベランダでは黒星病には悩まされにくいですが、うどんこ病に苦労することがあります。この病気は風通しの悪い場所で発生しやすく、同様に耐性は品種間の差がとても大きいので、ベランダ園芸などでは、うどんこ病に強い品種を選ぶことをおすすめします。

■2 鉢植えではコンパクトなバラを選ぶ

バラは品種によって0.2〜3mと樹高に大きな差が出ます。鉢で栽培する場合は、鉢に植え込む分、高くなるのでなるべく樹高が低く株の形状がまとまりやすいコンパクトな品種を選びます。
樹高が高い品種は、風が吹くたびに鉢が倒れ、扱いに苦労します。開花時の樹高はさほどの高さでなくても、秋には2m超まで伸びる品種もあるので、購入する前に調べておくと失敗がありません。
■『NHK趣味の園芸』2018年4月号より

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