「冬型種」=「寒さに強い種」ではない! 多肉のカン違い栽培

冬型の1つ、アルギロデルマ。撮影:成清徹也
「冬型」の多肉植物だから戸外に置きっぱなしでも元気いっぱい……? そんなカン違いが、真冬の多肉を苦しめているかもしれません。園芸研究家の長田 研(おさだ・けん)さんに、生育型について詳しく教えてもらいました。

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多肉植物は、冬型種、春秋型種、夏型種と、生育する季節によって3つのタイプに分類されます(以下、種は省略)。
気をつけたいのは、冬型は「比較的低温(5〜20℃)で生育するタイプ」であって、「寒さに強いタイプ」ではないということ。「◯型」は、生育に適した温度を日本の四季に当てはめてわかりやすく示すための、いわば便宜的な呼び名なのです。これをカン違いして、冬型だから寒さに強いはず、と戸外に置きっぱなしにしてしまうと、寒すぎて弱ってしまいます。

■生育型を知ろう!

冬型
生育適温は5〜20℃。冬に生育し、春秋は生育が緩慢になり、夏は休眠する。低温を好むが、霜が降りるほどの寒さには弱いものが多いので、冬の夜は室内に取り込む。水やりは冷える時間帯を避け、晴れた日の午前中に。
代表的な種類:アルギロデルマ、アエオニウム、リトープス、オトンナ、プレイオスピロス、コノフィツム
春秋型
生育適温は10〜25℃。春と秋に生育し、夏は生育が緩慢になり、冬は休眠する。蒸し暑い夏は断水をして強制的に休眠させると、根腐れ防止になり株が傷まない。冬の休眠期も水やりを控え、1か月に1〜2回葉水を。
代表的な種類:ハオルチア、エケベリア、セダム、センペルビウム、パキフィツム、ペペロミア、クラッスラ(春秋型)
夏型
生育適温は20〜30℃。夏に生育し、春秋は生育が緩慢になり、冬は休眠する。高温を好む一方で極端な過湿は嫌うので、夏は風通しのよい場所に置いて根腐れ防止を。生育が鈍るようなら水やりを控える。冬は水を断つ。
代表的な種類:サンセベリア、クラッスラ(夏型)、アロエ、カランコエ、アガベ、ユーフォルビア
■『NHK趣味の園芸』2018年2月号より

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