相手も自分も幸せになれる言葉遣いって? 仕事や日常生活で役立つ334の文例を収録
- 『いつもの言葉があか抜ける オトナ女子のすてきな語彙力帳』
- 吉井 奈々,嶽 まいこ
- ダイヤモンド社
- 1,540円(税込)
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仕事であれ日常生活であれ、コミュニケーションを図るうえで欠かせないのが、相手への敬意。とはいえ、「正しい敬語で話せているかな?」「失礼な印象を与えてないかな?」と終始気にしながら話すのは、ちょっぴり疲れますよね。自分も相手もリラックスできて、思わず笑顔になるような言葉遣いができれば最高ではないでしょうか?
書籍『いつもの言葉があか抜ける オトナ女子のすてきな語彙力帳』が教えてくれるのは、そんな"相手も自分もうれしくなる言葉"。日常で無理なく使える言葉でありながら、上品で誠実、そしてどこかにやさしさがあって心が温まる......。ただの敬語の用語集ではないところが、同書の大きな魅力です。
著者はこれまで15年間、さまざまな企業や教育機関で講師を務め、7万人を超える人々にコミュニケーションの大切さを伝えてきた吉井奈々さん。出生時の性別は男性でしたが、性別適合手術を受けて戸籍を女性に変更し、現在は男性と結婚しているという自身の生き方や経験から、さまざまな立場の人の気持ちを大切にするコミュニケーションを得意としています。
たとえば、「相手の話が長くて困る」という状況に陥った場合、皆さんならどうやって話を切り上げますか? 「もういいですか?」とつい口に出してしまいそうですが、同書によるとこれは残念な言い方。素敵な言い方として「もっと聞きたいのですが、予定があるので改めて聞かせてください」が紹介されています。「本当はその話をもっと聞きたい」というクッション言葉を入れることで、相手は話を否定されていないことから傷つかずに済み、自身も嫌な気持ちをせずに話を終えられます。相手も自分も大切にしながら伝える方法を知っていると、お互い幸せになることがわかる一例ではないでしょうか。
ほかにも同書では、1章「挨拶の言葉」、2章「気持ちを伝える言葉」、3章「感謝の言葉」、4章「打ち解ける言葉」、5章「あいづち・クッション言葉」など334の文例が収録されています。あるシチュエーションに対して「残念文例」と「素敵文例」が載っているので、対比しながら覚えられるのが特長。イラストも豊富で、その言葉を使うシーンが目で見てわかります。
会話をするうえでルールやマナーはもちろん大切ですが、そもそもコミュニケーションで大切なのは相手との距離を縮めることや関係性を円滑にすることです。ふだん使う言葉からそんな効果が生まれるなら、知っておいて損はない......どころか得なことばかりのはず。同書は皆さんにとって、日ごろのコミュニケーションを格上げするための素敵な一冊となってくれることでしょう。
[文・鷺ノ宮やよい]