『魔女の宅急便』著者・角野栄子の娘が伝授! 80代の母を輝かせるコーディネート実例集
- 『50代になった娘が選ぶ母のお洋服 魔法のクローゼット』
- くぼしま りお
- KADOKAWA
- 1,650円(税込)
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『魔女の宅急便』などの著者として知られる、童話作家の角野栄子さんは現在86歳。娘のくぼしまりおさんは、80歳を過ぎた角野さんから、ある日突然こう言われたそうです。「毎日のお洋服を考えるのが面倒になっちゃった」、そして「それでね、これからはママが着るお洋服を、リオちゃんが、代わりに考えてくれないかしら?」と。
かくして、講演会や授賞式、テレビ出演、家での執筆作業時や近所へ買い物に行くときなど、角野さんが日々の暮らしで身につける洋服はすべて、娘のくぼしまさんが考えるようになっていきました。
そんなくぼしまさんが「シニアになった母のおしゃれをサポートする、娘のための本」として執筆したのが『50代になった娘が選ぶ母のお洋服 魔法のクローゼット』です。70代、80代の女性がラクに着られて、おしゃれに見えるコーディネートのコツが満載のファッションブックとなっています。
くぼしまさんが、重視しているもののひとつが「色使い」。角野さんの着こなしには、ピンクや赤、オレンジといった多彩な色が使われているのが特徴です。本書にも「オレンジ×赤」「ブラウン×オレンジ」「グリーン×黒」など、さまざまな色合わせが登場します。
「カラフルな色をまとうことによって、印象が明るくなることはもちろん、イメージ的にカラフルに程遠いシニア世代だからこそ『おしゃれに気を遣っているんだなぁ』と思わせることができる」(本書より)
たとえば、ピンク色は着るのにハードルが高く感じるシニアの方もいるかもしれません。けれど、ピンクのワンピースを着るとパッと明るく華やかな印象になり、「角野さんは今日もお元気ですね」と言われることが多いのだそうです。そして、そう言われたとたん、本当に元気になってしまうというのだから、「ピンク色って本当にすごい!」「色の力をあまくみては、いけません」(本書より)とくぼしまさんは言います。
ただし、ピンク色を取り入れる際は、「あくまでもモードに着こなすこと」「それには同系統の色でまとめること」が大切とのこと。さらに、靴にはピンクに合わせやすい「黒」を選ぶこと、黒色の靴を履いたらバッグも黒にして統一感をもたせることも大事だといいます。こうした着こなしのポイントなども、本書には丁寧に書かれています。
このほか、角野さんが愛用するワンピースについて、ネックレスやメガネなど小物の選び方、柄物の合わせ方など、毎日のお洋服選びが楽しくなるような数々のコーディネートが写真やイラストともに紹介されています。オールカラーのページをめくっているだけでも、ポップな色やデザインが絶えず目に入ってきてとっても楽しい......! 本書に登場するモデルはすべて角野さんが務めているので、実際の着こなしの様子が手に取るように伝わってくるのも魅力です。
いくつになっても親はおしゃれでいてほしいと願うみなさん。自分の未来の姿にちょっぴり不安を感じているみなさん。ぜひ本書を参考に、開くと自然と気持ちが明るくなるような"魔法のクローゼット"を作ってみてください!
[文・鷺ノ宮やよい]