写真家がオススメする、夜景撮影に最適な時間とは?

世界のまがとき、カメラ旅
『世界のまがとき、カメラ旅』
藤村 大介
日本写真企画
1,404円(税込)
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 昼間とはまた違った表情をみせる夜景。その感動を写真のなかに上手く閉じ込めたいと思いつつ、夜景を撮るのはなかなか難しいもの。

 本書『世界のまがとき、カメラ旅』では、日本そして世界の美しい夜景写真とともに、写真家・藤村大介さんが夜景を上手に撮るためのポイントをわかりやすく教えてくれます。

 美しく夜景を撮るうえで、まず重要なのは撮影する時間帯。夜景撮影は明るくても暗くてもよい写真にはならないという藤村さん。日没後30分から1時間頃のトワイライトの時間を狙うのがベストだといいます。

「この時間は空の色が青くなったり、夕焼けの残照で赤みが残っていたりと、写真に美しさと変化を加えられる。若干の明るさがある頃なので、街並みのディテールが黒くつぶれてしまわないのも、この時間のメリット」(本書より)

 同時に、このベストなタイミングは短く、最長でも30分程度で終わり、すぐに暗くなってしまうため、素早く撮影することが大切。効率良く撮るためには、明るいうちに下見をし、どのように撮るかをあらかじめイメージしておく必要があるといいます。

 では実際にどのような夜景を撮るのか。街の特徴を感じるためにも、藤村さんが第一にオススメするのは"広場"。古くから街の中心部にある広場には、歴史や人びとのドラマが息づき、市庁舎や教会、噴水やカフェ、ブティックなど、それだけでも絵になる美しい建造物が備わっているのだといいます。

 しかし、そうした目立つものがたくさん存在する広場では、自分が何を撮りたいのかを明確にすることが必要。単に広い広場を撮影しても、見る人は焦点が定まらず、面白みのない写真に。

 そのため、たとえば広場で繰り広げられる人間模様を被写体としてとらえてみるといったように、"広場の○○を撮る"と被写体を限定し、「必要なものは入れ、不要なものは排除」(本書より)することが夜景撮影における鉄則なのだそうです。

 そして写真を撮るうえで何よりも重要なのは、ただ闇雲に枚数だけを重ねるのではなく、その物・その土地・その文化を知ってからシャッターを押すこと。

「味、感触、匂い、音、明るさや暗さ、五感は写真を表現するのに重要な要素。五感が表現に繋がれば、素晴しい夜景写真ができるはずだ」(本書より)

 本書のなかには、夜景を上手に撮るために知っておきたい撮影のコツが満載。美しい写真の数々を眺めれば、実際にカメラを手に夜景撮影へと出かけたくなるはずです。

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