女医が教える 本当に気持ちのいいセックス

女医が教える 本当に気持ちのいいセックス
『女医が教える 本当に気持ちのいいセックス』
宋 美玄
ブックマン社
1,520円(税込)
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 産婦人科医の宋美玄氏は、これまで多くの女性からセックスに関する相談を受けてきたそうです。その中には最初から話を聞いてもらう目的で病院を訪れる女性もいれば、まったく別のことで受診し、診察の流れのなかで、「セックスすると、ここが痛みませんか?」と尋ねると、せきを切ったように悩みを打ち明ける女性もいるとか。

 しかし、どんな産婦人科医でもセックスの悩みに答えることができるかというと、必ずしもそうではないと宗氏は言います。医学部ではセックスについて習わないため、産婦人科医同士で話をすると、患者さんからのそういった相談には自分の経験から答えているというドクターがほとんどだそう。

 セックスは人間にとって基本の営みです。しかし、悩みや不満を抱えていても相談できる場所がほとんどない、というのが今の日本の現状のため、セックスに悩んでいる女性の多くは産婦人科医に相談することになります。ですが、その産婦人科医でさえも、専門的な教育を受けているわけではないのです。

 このような状況には、日本の性教育に対する偏見があります。数年前、小学校低学年の児童に対する性教育の在り方が、国会で問題になりました。そこで、当時の首相であった小泉純一郎氏が「われわれの年代は性教育などなかった。でも自然にひと通りのことを知るようになった」といった内容の発言をし、多くの議員の笑いを誘いました。

 果たして、これは笑い話でしょうか。本当にセックスのやり方は「自然に」知ることができるものでしょうか。性に関する知識を医学書から学んだという人は、ほとんどいないでしょう。「大半の人が商用のポルノグラフでセックスを知ったはず。だが、そのほとんどが男性目線に偏っており、正しい知識ではない」と宋氏は言います。

 宗氏が『女医が教える 本当に気持ちのいいセックス』を著したのは、そのような「男性寄りで間違った知識」を正したい、という思いが、数々の女性の悩みを聞くうちに生まれたからだそうです。

 これを読んで、男性は一度自分の振る舞いが本当に「正しい」ものだったか考えなおし、また女性は、パートーナーの間違いを指摘してあげてはいかがでしょうか。二人で共に考えることが、このような問題の解決には欠かせないのですから。

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