連載
続・鴇田崇の映画でいっぱいいっぱい!

第8回 『劇場版 媚空-ビクウ』秋元才加さんインタビュー

秋元才加さん主演。映画『劇場版 媚空-ビクウ』は、大ヒット上映中!

連載! 「続・鴇田崇の映画でいっぱいいっぱい!」8回目は、現在大ヒット公開中の映画『劇場版 媚空-ビクウ』主演の秋元才加さんへインタビュー! 天才、雨宮慶太監督が放った約10年続く超ロングヒットシリーズ牙狼<GARO>の10周年記念作品で、秋元さんは孤高の闇斬師(やみぎりし)にして女魔戒法師・媚空を熱演! 劇中ではかつて見たことがないほどの肉体美と身体能力を存分に活かしたアクションを披露しています。AKB48を卒業して3年目、自身のことを「修業期間だなって思います」と語る実力派女優の想いとは?


──GAROシリーズではありますが、まったく新しい内容ですね。当初不安はありましたか?
 
そうですね。ただ、そういうことは、それほど考えていなかったですね。このシリーズから媚空を知るような、違った世界観で観る人もいると思い、新しい作品を作っている感覚でしたね。GAROなんですけど、違うような。媚空単体の作品としても楽しめて、GARO10周年でもあるので、これをきっかけにシリーズに入っていく方もいると思うので、そういう意味でもいいと思います。前作とは違うという意味だと思いますが、雨宮監督、媚空が街中を歩けるようにと、このコートを作ってくれて(笑)。街着用を作ってくださったんです。

──なるほど。GAROシリーズは夜や暗所のシーンが印象的で、昼の街中はなかったですね。
 
白昼の街中にいたら相当怪しいですが(笑)、GAROというと森とか工場とか、街中でも夜とか廃墟とか、そういうイメージが強いですよね。今回、渋谷のクラブに行ったりとか、けっこう街の中で同化しているんですよね。最近ではアニメなど、いろいろな企画が動いていますが、GAROは10周年ということで、いろいろな挑戦として始まっている気がしますね。

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──さて今回の劇場版『媚空-ビクウ-』を経て、女優としての今後の目標などありますか?
 
今後の課題は、演技の"軽さ"を出すことですね。媚空のように腹や肝がすわったというか、強さ硬さというものは映像でもここまで自分でも出せるんだって手応えはありました。最近出演したドラマ「別れたら好きな人」や映画『ギャラクシー街道』などではコメディー要素が濃かったりしたので、普通の等身大の女性を描くようなコメディーでの軽さがほしい。一生懸命だけれど、それがにじみ出ない軽さみたいなものを自分の中でまとえれば、もっと幅が広がると思います。

──確か以前のインタビューで表情が豊かすぎるので、困っていると言われていましたね。
 
そうなんですよ(笑)。映像作品の場合、それがすごく難しくて。でもこの顔はもって生まれたものなので、これがちゃんと自分のなかで加減ができれば、強みになると思うんですけど、全部が意味を持っちゃうので。舞台の場合は比較的必要なことですけど、真面目が出過ぎちゃうんですよね(笑)。でも、そういうことで葛藤することもいま楽しいですね。試行錯誤しながら壁にブチ当たりながら。そして今回は上手くできたかなと思っています。

──今回の劇場版『媚空-ビクウ-』では、まったく新しい秋元さんを観た、と思いました。
 
コメディー作品が続いたので、自分でも媚空を演じた時に相乗効果を感じました。媚空の重みとコメディーの際の軽さが差があったと言うか、観ていただく人が「え?」っと思うだろうなって自分でも思いました。そういう驚きをどんどん大きくしていきたい。ありがたいことにAKB48を卒業して3年目で、先日も(大島)優子に「すごいやっているね」って言われましたが、印象が違う役柄をいただいていてすごくうれしい。修業期間だなって思います。

(写真・文/鴇田崇)

<STORY>
闇斬師として闇に堕ちた魔戒騎士や魔戒法師を討伐する媚空の元に、代知と名乗る青年が現れる。代知は、「魔戒法師のウサミが闇に堕ちているかどうか確かめよ」という元老院からの指令を媚空へ伝える。ほどなくウサミを追って行動開始する媚空だったが、闇斬師になりたいと懇願する代知が勝手に着いて来てしまう。媚空は入心の術を用いて見つけ出したウサミの心の中=精神世界へと突入するが、媚空の想像とは違った状況が発生していた。

映画『劇場版 媚空-ビクウ』は、大ヒット上映中!
配給:東北新社
(C) 2015「媚空」雨宮慶太/東北新社
http://garo-project.jp/BIKUU/

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鴇田崇(ときた・たかし)

1974年生。国内最大級のアクセスを誇る総合映画情報サイト「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在はフリー。年間延べ250人ほどの来日ゲスト、俳優、監督への取材を行い、雑談のような語り口で相手のホンネを引き出すスタイルは、一部の関係者に定評がある。史上もっともアガッたインタビューは、あのM・ナイト・シャマラン監督に「キミの体からは気が出ている!」とホメられたこと。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。

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