連載
続・鴇田崇の映画でいっぱいいっぱい!

第4回 「ゴッサム」ロビン・ロード・テイラー&コリー・マイケル・スミス インタビュー

海外ドラマ「GOTHAM/ゴッサム」のロビン・ロード・テイラーとコリー・マイケル・スミスを直撃!(文・写真/鴇田崇)

新連載! 「続・鴇田崇の映画でいっぱいいっぱい!」4回目は、規格外の海外ドラマとして話題沸騰中の「GOTHAM/ゴッサム」で、印象深いキャラクターを熱演中のロビン・ロード・テイラーとコリー・マイケル・スミスを直撃! 日本での知名度は高くないものの、彼らが演じるオズワルド・コブルポット、エドワード・ニグマの運命を観れば、この先の展開が楽しみでたまらない。だって奴らは後の......。本人たちの人生も変わった、モンスター・ドラマについて聞いた!


――「GOTHAM/ゴッサム」は、大変な影響力を有する作品になりましたよね。今作への出演で、何か変わりました?
 
コリー:これは本当にほしくて、ほしくて、たまらない役柄だった。本当にほしくて、ほしくてたまらないから丹念に準備を重ねたけれど、合格と言われた時の喜びったらなかったよ。ただ、60秒後には「ヤバい、どうしよう」ってね(笑)。いろいろな期待を背負って、皆さんがこのシリーズを観るわけなので、いろいろな意見も飛び交うよね。それに加えてバットマンという誰もが知っているキャラクターがいる大きなシリーズだから、その緊張は計り知れないものがあったね。

ロビン:僕も彼同様で、うれしい、悲しい、怖いみたいな感情が入り混じって、まるでジェットコースターに乗った時みたいな、いろいろな感情の変化が起こったよ。役柄をゲットした時は、母に電話して泣きまくった(笑)。それまでは何でもいいから俳優の仕事ができればいいなと思っていたので、ここまでの大役は本当に驚いたね。

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エドワード・ニグマを演じるコリー・マイケル・スミス

コリー:そういう入り混じった気持ちで最初はいたけれども、一年経って、だいぶ気持ちが変わった。というのもキャラクターに対して独特なアプローチで当たっているので、これはこれで確固たるものが作れたという自負がある。だから、いくぶんか自信も持てているので、これからもいろいろなリドラーの物語を語っていけると思うとわくわくするよ。今は不安よりも、わくわくするほうの気持ちが勝っているかな。

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オズワルド・コブルポットを演じるロビン・ロード・テイラー。

ロビン:当初、いよいよキャストの発表の段階になって、僕がペンギンを演じることがわかると、皆がSNSで「あいつは痩せている!」「背が高すぎる!」とか、「あいつはバットンマの世界を台無しにしている!」などなど、散々な言われようなわけ(笑)。脚本が出る前だよ。本当にけちょんけちょんで、どうしたものかと思ったけれど、いったん撮影が始まってしまうと、共演者の皆さんが素晴しく、自分が思うアプローチで当たっていこうというような気持ちが沸いた。だから、だいぶ気持ちが落ち着いたよ。で、一度放映した後は、世間のけちょんけちょんの反応も幸いにして変わったようで、「ペンギンは素晴らしい!」「このシリーズは素晴らしい!」という反響があったので、これもまた快挙、ということだろうね(笑)。

――日本の場合、以前の映画シリーズの印象でリドラーとペンギンってコミカルなイメージだと思うので、今回はクールなイケメンが演じていることをアピールしましょう(笑)
 
ロビン:ほら(コリーを指さして)、その通りだね(笑)! 僕が演じるオズワルドは、とにかく野心家だ。どうしてかと言うと、子供時代に四面楚歌の状態になって、まわりの同級生から人間以下の扱いを受けていた。とにかくイジメ抜かれていたわけだ。ルックスは醜いだの、皆とちょっと違うだの、さんざんやられたわけだよね。だから、二度とそういう目に遭うまいということで、あらゆる手を使って権力を手に入れようとしている。そういう逆境から、ものすごい才能が出てきてしまうキャラクターなわけだ。人の心を読め、人の動機に対する洞察力も優れていて、次の一手の読みも素晴しい。上手く人を利用することもできる。そういうヤツだよ。

コリー:ペンギンとリドラーは、ファースト・シーズンではけっこう描かれ方が違っていて、ペンギンは比較的ファースト・シーズンでは中心的な役割を担っていて、権力を握っていくまでの過程が、とりわけ面白いストーリーラインのひとつだよね。そのペンギンが中心にいるけれども、脇のほうで捜査官としてちまちまやっている男がニグマだ。だから、ニグマはファースト・シーズンでは悪役にはなっていなくて、もともとは善人なわけだ。それが今後、少しずつ悪になっていく過程を見ていただくことになる。その中心となるストーリーラインは、ニグマがとある女の子に恋をするが、残念ながら失恋してしまうわけだ。だから、カッコいいヴィランではなくて、残念ながらとてもカッコ悪いヴィランだよ(笑)。

ロビン:本当にリドラーは悲劇的なキャラクターだと思うよ。でも、それはコリーの演技力があってこそ、だけどれどね!

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<STORY>

ブルース・ウェインの信頼できる協力者にして、後にゴッサム市警の本部長となるジェームズ・ゴードンを主人公に、彼の若き刑事時代を描く。刑事になりたてのゴードンは、相棒ハービー・ブロックとともに、地元名士であるトーマス&マーサ・ウェイン夫妻の殺人事件を担当する。犯罪現場でひとり生き残った12歳の息子ブルースと出会ったゴードンは、彼に説明しがたい深い結びつきを感じ、必ず犯人を逮捕することを約束するのだった――。

 なぜゴッサム・シティは"闇の騎士(ダークナイト)"の存在を必要する街へ変貌をとげたか? そして10代のセリーナ・カイル、ペンギンことオズワルド・コブルポット、エドワード・ニグマなど、続々と登場する"誕生以前"の最凶キャラクターたちは、いかにして街を脅かすヴィランとなっていったのか? 悪と不正がはびこるゴッサム・シティでギャングのボスやマフィアのドンに果敢に挑み、正義を貫こうと奔走するゴードンの活躍を幼いブルース・ウェインとの交流を軸に描く、海外ドラマの枠を超えた大型シリーズ誕生!


「GOTHAM/ゴッサム<ファースト・シーズン>」

2015年7月22日 DVDレンタル/デジタルレンタル開始
◇レンタルDVD Vol.1~4(各巻2話収録)◇デジタルレンタル 順次配信開始
2015年8月12日 DVDレンタル
◇レンタルDVD Vol.5~8(各巻2話収録)
2015年9月9日 DVDレンタル/ブルーレイ&DVD発売
◇レンタルDVD Vol.9~11(各巻2話収録)

◆「GOTHAM/ゴッサム <ファースト・シーズン> コンプリート・ボックス」
ブルーレイ(4枚組) ¥16,200+税
DVD(11枚組) ¥14,300+税
デジタルセル 先行配信中

発売元・販売元:ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
© 2015 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

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鴇田崇(ときた・たかし)

1974年生。国内最大級のアクセスを誇る総合映画情報サイト「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在はフリー。年間延べ250人ほどの来日ゲスト、俳優、監督への取材を行い、雑談のような語り口で相手のホンネを引き出すスタイルは、一部の関係者に定評がある。史上もっともアガッたインタビューは、あのM・ナイト・シャマラン監督に「キミの体からは気が出ている!」とホメられたこと。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。

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