映画『さよなら、人類』は、8月8日(土)より公開です!
8月8日(土)公開のロイ・アンダーソン監督の『さよなら、人類』ファンの木村俊幸さんと、女だらけのクリエイター集団「箱庭 haconiwa」が、マットペイントで遊ぶ! 後編では、木村さんがマットペイントのガチ技を披露&『さよなら、人類』 の魅力を語ります。前編はこちらからどうぞ。
●木村俊幸さんが解説! キャベツで辿る「マットペイント」ができるまで
前編でサムとヨナタン遊びで使ったキャベツと豆苗をスキャンして、木村さんがマットペイントをガチ制作! ご本人による解説付きでお楽しみください。マットペイントができるまでのプロセスがなんとなーくわかります。
ここではキャベツの洞窟が明らかになってきました。洞窟から漏れた光(左上)と出口となるメインライトの光り(奥)の2つの光を設定しました。
●木村さんが語る、映画『さよなら、人類』の魅力とは?
マットペイントといえば『スター・ウォーズ』や『2001年宇宙の旅』など、現実にはない景色を描くものというイメージが強いですが、ロイ・アンダーソンの『さよなら、人類』では、どこにでもありそうなビルや空き地など、普通の景色をわざわざマットペイントで描いているのが面白いところ。
「サムとヨナタンという変わった2人の気持ちのズレを、言葉ではなく絵で伝えている。絵の持っている幅や強さを最大限に活かしていると思います。ロイ・アンダーソンはこの映画の中で、マットペイントの可能性を指し示している!」
と、木村さんは興奮気味に語ります。
「普通のビル、普通の部屋。何気ない場所を、監督の頭の中にある色、光や影で再構築しているんですよね。徹底的なリアリズムでありながら、何かが違う。夢の世界のような感じ......と言ってもディズニーランドのような夢じゃなくて、僕らが寝ている時に見ている夢の感覚や感触に近い。起きたら枕がヨダレだらけだった、みたいなね。絶望的な感じもしながら、どこか平穏で、なぜだか安心できる世界が『さよなら、人類』の世界なんです」(木村さん)
いまやCGでなんでも作れてしまうからこそ、表現者の本当の資質が問われる時代。ロイ・アンダーソンは、CGによる映画作りに、全力で一石を投じたのかも知れません。
(取材・文/根本美保子)
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< Profile >
木村俊幸(きむら・としゆき)
1969年岩手県生まれ。LOOPHOLE 代表/VFXアーティスト。映画の背景画であるマットペイントを中心に、TV・CM・MVなど様々な映像の特殊効果に参加。また、映画のコンセプチャルデザイン、VFXスーパーヴァイズやディレクションなども手掛ける。主な参加作品に『リング』『CASSHERN』『映画 怪物くん』など。最新作はAcid Black Cherry「INCUBUS」、ももいろクローバーZ「『Z』の誓い」、DANCE EARTH「BEAUTIFUL NAME PARTY」のMV、「人にやさしく」(下山天監督/VFX監督・ミニチュア造型)。
府中グリーンプラザとLOOPHOLEにて「LOOPHOLE10周年記念展」を開催(9月20〜23日)。また、9月に『木村俊幸作品集 MATIM 〜SAY YES〜』刊行予定!
箱庭 haconiwa
女子クリエイター集団による日々の中に見え隠れする「なんかいいな」と共感できるモノ・コトを同じような仕事をしている人たちとシェアするための"ライフスタイル作りWEBマガジン"。
http://www.haconiwa-mag.com
『さよなら、人類』
8月8日(土)より、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショー
監督・脚本:ロイ・アンダーソン
配給:ビターズ・エンド
2014/スウェーデン=ノルウェー=フランス=ドイツ/100分
英題:『A Pigeon Sat on a Branch Reflecting on Existence』
公式サイト:http://bitters.co.jp/jinrui/
©Roy Andersson Filmproduktion AB