第2回 乙女の夢は妄想の墓場!? ・・・『食べて、祈って、恋をして』
- 『食べて、祈って、恋をして ダブル・フィーチャーズ・エディション [DVD]』
- ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- >> Amazon.co.jp
- >> LawsonHMV
いやいや、どーもどーも。
前回の『プラダを着た悪魔』では、みなさんに楽しい反響をたくさんいただきました。
阿弥陀如来に感謝、奉ります。
さてさて、調子に乗ったところで、もう一本、乙女のドリーミィ・ストーリーをブッダになりかわりまして、斬らせていただきます。
『食べて、祈って、恋をして』・・・。
女子なら、どれもこれも手に入れたいアイテムばかりでございます。
いいですなー。グルメに、スピリチュアルに、そして、L・O・V・E。
でもね、これ、実は全部、不幸への道をまっしぐらですよ。そりゃ、妄想の墓場ですわ。
主人公のリズ(ジュリア・ロバーツ)は、離婚して、駆け出しのイケメン俳優ともうまくいかず、イタリアへ。そこで、グルメを満喫して、インドに行って、瞑想して、そして、バリ島でワイルドはブラジル男とハッピーエンドです。
なんだか、夢のような話ですが、おいらに言わせれば、サウナに行って、焼肉食べて、六本木のキャバクラで遊んだがごとく、空虚なものです。
なぜか。・・・それは欲望には、つまり煩悩には終わりがないからです。ひとつの欲望が満たされると、さらにもっと強い欲望を欲します。いいメシ、よりハイな気分、より激しいセックス。
いけませんな、お嬢様方。私がお止めいたしやす。
はっきり言いまして、今後、日本がこれ以上、発展することはないでしょう。だから、あなたの暮らしも現状維持を守らなくてはなりません。なにしろ、欲望にはカネがかかりますぜ。
もしあなたが欲望という名の煩悩にいま、身を焦がしているのなら、いっそ思い切ってソイツを捨て去ってみませんか。ポーチにパンパンの化粧道具、バッグに詰め込んだビジネス書、借金だらけのクレジットカード、お金だけが目当ての仕事、セックスだけの何となく終わらない彼氏・・・ぜーんぶ、捨てちまうのです。案外、平気なものですよ。
かくいう、私もかつては「歩く不良債権」みたいな存在でして、ろくでもない下ゴコロばかりを抱えていました。自分に行き詰まりを感じて、思い切って、すべてを捨て去ったとき、喪失感もとてつもなかったですが、しばらくするとサッパリ。空っぽの青空みたいに爽やかな男になりましたよ。
あなたがいま、何かに苦しんでいるとすれば、あなたがそれに執着しているからです。恋愛だってそうですよー。忘れられない恋なんか、存在しないのは、不肖、この私めが半世紀をかけて体得した「真実」です。
怖がらなくてよいです。がんばらないで、手放してください。
「人間、手ぶらで、バカがいい」。さあ、明日から、捨て去る修行を始めましょう。グッド・ラック!