寒さと霜が苦手! 速やかに収穫したい野菜たち

イラスト:山口洋佑
菜園では、秋冬野菜が収穫を待っています。寒さと霜に弱い野菜はまっさきに収穫したいもの。恵泉女学園大学人間社会学部教授の藤田 智(ふじた・さとし)さんがアドバイスします。

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寒さにきわめて弱いのは、アジアやアメリカ大陸などにおける熱帯地域原産の野菜です。霜に当たると一夜にして葉がぐったりとしおれ、さらに何度も霜に当たると傷んで腐ってしまうので、霜が降りる前に収穫するのが基本です。
根菜類は地下の様子がわからないので、地上部を見て判断します。とりごろのサインは、葉が黄色っぽくなること。寒さで葉が枯れ始めるころになると、イモやショウガに養分がたっぷりと蓄積されています。
収穫後、適切に保存すれば、長期間品質を保つことができます。

■サトイモ

葉が枯れ始めたことをきっかけに収穫します。地上部の茎(葉柄〈へい〉)を10〜15cm残して切り、土を軟らかくしたうえで収穫します。土を落とし、親イモ、子イモ、孫イモに分割して根を切ります。とりたてはねっとりとしておいしいので、すぐに食べるのがおすすめです。「ヤツガシラ」、「赤芽(あかめ)イモ」などの赤茎系の品種は、切り取った葉柄も、イモガラとして食べられます。皮をむいて天日干しにして保存し、水で戻して煮物や汁の実などで食べます。葉柄が緑色の「土垂(どだれ)」、「石川早生(いしかわわせ)」などはえぐみが強く、食べられないので注意してください。

■サツマイモ

葉が黄色くなったら、収穫適期です。サツマイモは湿り気を嫌うので、晴れて土の乾いた日を選んで掘り上げます。株元のつるを20cmほど残して切り、つるや葉、マルチを取り除きます。株のまわりにスコップをさし込んで土を軟らかくしたあと、つるを引き上げてイモを収穫します。とり残しがないよう、土中をよく探ります。
収穫後2週間ほど、風通しのよい日陰に置くと、甘みが増しておいしくなります。

■ショウガ

葉が黄ばんできたら、霜が降りる前に収穫します。株のまわりにスコップをさし込んで土を軟らかくし、根元を持って引き抜き、土を落として葉と根を切ります。根ショウガ(新ショウガ)の下に、春に植えつけたタネショウガ(ひねショウガともいう)がついています。タネショウガは辛みが強く筋っぽいので、おろしなどで食べます。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2017年11月号より

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