新米に合わせたい! ちょっぴり甘口の具だくさん豚汁

撮影:野口健志
「人生最後に食べたいのは、白い炊きたての魚沼産コシヒカリ。と決めているくらいお米が大好きです」という坂田阿希子(さかた・あきこ)さん。この季節、ぜひ新米に合わせたい坂田さん流の「豚汁」を教えてもらいました。

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やっぱり故郷・新潟のコシヒカリが好きだなぁ。もっちりとしていて甘く、冷めてもおいしい。いや、冷めたコシヒカリには、また別物のおいしさがあります。この季節の新米は、炊きたてをおひつに入れて少し水分をとばし、そのあとおむすびにするのも好きな食べ方。おひつの木の香りも程よく移り、何コでも食べられそうなおいしさです。新米によく合わせるのが、「豚汁」。
おかずなしでもモリモリ食べられる新米なのですが、具だくさんの豚汁を合わせれば野菜もたっぷりとれてバランスのいい食事になります。豚汁こそ大定番の料理ですが、わが家の豚汁はたまねぎが入るちょっと甘口。仕上げにおろししょうがと柚子(ゆず)。
みそも新潟のちょっと甘さを感じるものを使います。豚バラ肉の薄切りと、たまねぎ、大根、にんじん、里芋にこんにゃく。そして、欠かせないのがごぼうです。ごぼうの香りがアクセントになるので、意外と大事な脇役。たまねぎはくし形に切り、ごぼうはささがきにし、大根やにんじんはいちょう切りに。里芋は食べやすい大きさに切ってから軽く塩でもんで水洗いしてぬめりを取ります。こんにゃくはサッとゆがいてから手でちぎります。定番の具材たちですが、たまねぎを入れるというのが意外と驚かれます。
最初に豚肉をごま油で炒め、脂が出てきたら野菜とこんにゃくを入れます。ざっと炒めたら、ふたをしてごく弱火にし、10分間ほど蒸し煮にします。こうすると、野菜たちがサウナ状態でジワジワと汗をかき、その汗が豚汁のコクになります。
だしを注いで(野菜からおいしいだしが出るので水でもいいんです)、柔らかくなるまで煮たら、みそを溶いてでき上がり。みそを加えたあとは温める程度で火を止めます。
おかずになる豚汁だから濃いめに仕上げたほうがおいしいですよ。ぜひ試してほしいのが、仕上げのおろししょうがと柚子の皮。器に盛りつけてからたっぷり添えます。口に近づけたときにふんわりと香る柚子としょうがが豚汁をキリリッと引き締めてくれますよ。
塩だけでむすんだおむすびとアツアツの豚汁。新米の季節のわが家のお楽しみです。
※詳しい分量とつくり方はテキストに掲載しています。
■『NHKきょうの料理ビギナーズ』2017年10月号より

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