クチナシ栽培は鉢植えがオススメ

撮影:牧 稔人
梅雨どきに、濃厚な香りで存在感を放つクチナシ。香りの印象が強いですが、ゴージャスな花や、晩秋につけるかわいい実など、香り以外の魅力もたくさん。今年は鉢植えで育てて、もっと身近に楽しんでみませんか。園芸研究家の長岡 求(ながおか・もとむ)さんに、鉢植えを選ぶ際に役立つポイントを教えてもらいました。

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■鉢植えで、魅力を存分に味わおう

梅雨の時期を彩る、クチナシの花。庭木に使われがちですが、白く肉厚な花びらは傷つきやすく、咲いたあとで風雨にさらされるとすぐ茶色くなってしまうので、美しい状態で長く楽しむには、じつは鉢植えがおすすめです。夜にいっそう濃厚になる香りも、鉢植えで手元に置けば、たっぷり楽しむことができます。
クチナシの名は「実が熟しても裂けない=口が開かない」ことに由来するといわれますが、すべてのクチナシが結実するわけではなく、一重咲きの品種のみが、秋にユニークな形の実をつけます。一方、庭木や街路樹としておなじみの品種は八重咲きが多く、バラを思わせる優雅な花姿で人気がありますが、結実はしません。どちらも香りのよさは変わらないので、花の形、実の有無など、香り「+α」の好みで選びましょう。
 

■どう育てたいか、目的で選ぼう

鉢植えに適しているのがコクチナシ。八重と一重がありますが、華やかな八重が人気です。コクチナシを園芸用に改良した、キムラシキザキクチナシという種類も出回っています。
同じ鉢植えでも盆栽に多いのは、コマルバクチナシ。一重咲きで実がつく様子も楽しめます。
庭木で人気は、ヤエクチナシ。大きな八重の花が魅力で、街路樹にもよく使われています。
単に「クチナシ」という名で売られている場合、鉢植えで育てたいなら、開花鉢を購入すれば安心です。

■開花鉢の選び方

風雨などちょっとした刺激で花びらが傷みやすいので、よく見て、茶色く変色していないものを選びましょう。花の色は、開花してすぐの純白から、時間がたつにつれ薄いクリーム色へと変化します。購入後は、強い日ざしと雨に当てないよう注意し、水切れを起こさないよう毎日水やりを。

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