夏休みの旅行中の水やり、どうしたらいいの?

自動灌水機はホームセンターやガーデンセンターで購入することができます。撮影:田中雅也
夏休みの旅行で困るのが、出かけている間の水やりです。環境ガーデナーの正木 覚(まさき・さとる)さんにおすすめの方法を教えてもらいました。

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8月は1年で最も暑くなる時期でもあり、できれば朝晩2回水やりをしてもいいくらいです。そんな時期に数日家を留守にすれば、鉢植えは水切れしてしまいます。
1〜3日程度であれば腰水、4〜7日程度であれば底面給水などで水やりを行うことができます(いずれも鉢を日陰に移動させて行う)が、1週間を超える長期の旅行となると、これらの方法では追いつきません。
そこでおすすめしたいのが、自動灌水(かんすい)機。水道の蛇口があることが条件となりますが、数十日にわたる長期の不在時であっても、必要な時間帯に必要な量だけ自動で水やりをすることができます。コンセントから電源をとるタイプもありますが、電池式であれば、コンセントも不要です。

■腰水(こしみず)とは

植物が植えられた鉢を、水を入れた容器につけること。今回紹介したような不在時の水やりのほか、水生植物や湿り気を好む植物の日常の水やりでも行うことがあります。
また、タネまきやさし木でも、水切れしないように、腰水をすることがあります。
旅行に出かける際など緊急避難的に水やりの代わりに行うのはかまいませんが、水生植物など、湿った土を好む植物を除いては、日常の水やりの代わりに行うことはおすすめしません。
根は土の中で呼吸をしています。一般的な草花の根は、常に水につかった状態になると、呼吸ができず、根腐れなどの原因となります。

■底面給水(ていめんきゅうすい)とは

鉢の上からではなく、底から水を吸わせて給水すること。腰水と異なり、鉢を水につけたままにしません。根が水につかったままにならないので、腰水に比べると長期間行うことができます。
上記のように、根は呼吸をしています。鉢土の表面からの水やりでは、水が鉢土に浸透し、鉢底から抜ける際に土中の空気も入れ替わり、根に新しい空気が補給されます。これにより根が健全に育ち、植物全体が丈夫に育ちます。通常の水やりが行えるときは、鉢土の表面から水やりを行ったほうが無難です。
■『NHK趣味の園芸』2016年8月号より

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