スパイスのチカラで体の中からすっきり! 夏野菜たっぷりカレー

甘みたっぷりの夏野菜、そしてスパイス、トマトの酸味が混ざり合って、複雑な味わいに。野菜だけなのに、とても満足感のある一品です。つくり方はテキストをご覧ください。撮影:日置武晴
インドの家庭ではたくさんのスパイスを常備していて、体を温めたい、胃腸の働きをよくしたい、代謝をよくしたいなど、体の調子に合わせて日々の料理に使い分ける文化があります。インド料理・スパイス料理研究家のマバニマサコさんが、基本の4種類を使い、夏野菜のカレーをつくりました。野菜だけなのに不思議な満足感。体の中から元気になれますよ。

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■夏野菜とスパイスでつくる体がスッキリするカレー

私の夫の故郷は、インド西部のグジャラート州。ベジタリアンが多く、柔らかなスパイス使いが特徴的な地域です。西インドの料理はさっぱりとしていて体を温め、血行をよくするものが多いのですが、特に、少しのスパイスと野菜の水分だけで野菜を煮る料理は、日本人の私にもしっくりくるものがありました。今回ご紹介する夏野菜のカレーと蒸し煮も、西インドの味がベース。どこの家庭にもある、基本の4つのスパイスを使ってつくります。
インドでは古くより、アーユルヴェーダ(※)の考えで体調を管理する習慣がありますが、自然療法として使われるのがスパイスです。例えば、かぜっぽいと感じたらクミン、不眠にはターメリックという具合。コリアンダーは体内の余分な熱を取り除き、チリは体を温めるほか、余分な熱をおさえる働きがあります。日本の夏野菜も体の余分な熱を取り除くといわれますが、インドの野菜と重なるものが多く、考え方を取り入れやすいのです。夏野菜とスパイスを組み合わせて、夏を賢く過ごしたいですね。
※インドの伝統的医学で、世界三大伝統医学の一つ。心身のよりよいバランスを保つことで健康が維持されると考え、病気になってから治すより、病気になりにくい体をつくる、予防医学の考え方が基本となっている。
■『NHKきょうの料理ビギナーズ』2016年7月号より

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