花や木の名前が覚えられない……どうすれば?

園芸研究家の小笠原左衛門尉亮軒(おがさわら・さえもんのじょうりょうけん)が、園芸家のみなさんから寄せられた質問に答えるミニコーナー「小笠原左衛門尉亮軒の園芸家 人生相談」。1月号では、「花や木の名前を覚えられない」というご相談をいただきました。

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恥ずかしいことですが、お答えいただけますと幸いです。
私は、花の名前や木の名前などを、覚えてもすぐに忘れてしまうことに悩んでおります。人に聞かれたら答えられるようになりたいのですが、何かよい方法はありますか? お教えください。(埼玉県/Sさん 65歳)
植物の名前が覚えられない! あなたばかりでありません。私もまったく同様にて、年中もどかしく思っています。近年は覚える数より、忘れる数のほうが多く、とりわけ新しい外来植物など少々お手上げです。
これではお答えになりません。そこで私の若いころに行っていた方法をお伝えして、ご参考になればと思います。
それは、一度にたくさん覚えようとしないこと。一日一種をたしかに覚えようとしました。覚えようとした植物名はなるべく大きめのラベルなどに記入し、水やりなどの手入れのとき、あるいは前を通ったときもその名前を呼んでみることです。覚えごとはやはり口に出して呼んでみることでしょう。
植物の名前は、我々人間が勝手に名づけたもの、サクラは自分でサクラとはいっていません。私たち人間がそう名をつけ、そう呼び、人間どうしで認識し合うことですから、何としてでも覚えさせてもらうのが、私たち人間側の植物への礼儀と心得ております。
少々話が大きくなりましたが、夫婦、親子、兄弟姉妹の名や家で飼うペットの名も、結果的には何遍も何遍も口にし呼んだ結果、忘れられない名前となったのではないでしょうか。
■『NHK趣味の園芸』連載「小笠原左衛門尉亮軒の園芸家 人生相談」2016年1月号より

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