戸島花さん、勝負美人杯に挑戦!

撮影:小松士郎
「真剣に囲碁をする女性は美しい」という理念のもと、20歳以上の女性限定の囲碁大会、第三回勝負美人杯が9月6日、日本棋院で行われた。今回この大会に出場したのが、囲碁フォーカスの司会も2年目の後半に入り、そろそろ初段への道が見えてきた戸島花さん。これまでなかなか実力を試す機会がなかったが、果たしてその結果は…?

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■大人の女性のための大会

戸島花さんが出場した勝負美人杯は、半数以上の選手が級位者のため安心して出場できるという雰囲気があり、回を重ねるごとに参加者が増えている。今回も募集開始からあっという間に定員の350名に達したそうだ。
クラスはチャンピオン戦から11 〜15級戦クラスまで8つに分かれており、どのクラスもオール互先で行われる。戸島さんが出場したのは3〜5級戦クラスで、全部で4局戦うことになる。戸島さんが会場に入ると出場者から次々に声がかかり、その注目度の高さに戸島さんも緊張の色を隠せないが、「まずは1勝を目指します!」と気合いも入ったようだ。

■いざ、勝負!

「これまでは守りの手が多くて…。どうにかしなくちゃと思い、この1か月間は実戦を中心に本当によく勉強しました」という戸島さんの1局目。得意の黒番で終始優勢に打ち進めると、最後は大差で勝利を収め「とりあえず1勝できてほっとしました」。
続く2局目は苦手とする白番だったが、中盤に入って相手が間違えて逆転。後半はかなり損を重ねたが、優勢を守り切り11目半勝ちを収める。午後からの残り2局に向けて「全勝は目指しません(笑)。対局を楽しみたいです」と控えめに抱負を語った。

■プレッシャーに動じない

午後になると、囲碁フォーカスの司会を戸島さんとともに務める林漢傑七段、9月まで司会を務めた小松英樹九段のほか、蘇耀国九段や万波奈穂三段など多くの棋士が戸島さんの様子を見にやってきた。ギャラリーも、時間とともに増え続ける。
そんなプレッシャーにも動じることなく戸島さんは3局目も終始優勢を保ち、最後は課題と言われている死活で、とどめを刺した形に。

■4戦全勝!

3連勝した戸島さんだが、「10歳くらい年をとった気分…。ふだん大会に出場されている方の精神力に驚きです。最終局も自分を信じて頑張ります」と最後の力を振り絞る。
4局目は序盤早々から激戦になり、形勢は二転三転するも戸島さんは力強く戦いに応じる。まさに「勝負美人」がぴったりの真剣な表情を崩さなかった戸島さんが、最後は5目半勝ちで4戦全勝を成し遂げ、笑顔で締めくくった。
「疲れましたが、達成感があります。今日の4連勝を今後に生かしていきたいです!」と、ますます囲碁への情熱がみなぎってきた様子の戸島さん。囲碁フォーカスで、林七段のもとで苦手な死活を克服すれば、初段どころかそれ以上も見えてきそうだ。
■『NHK囲碁講座』2015年12月号より

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