初心者にもオススメ! サラダタマネギを栽培するコツ

撮影:上林徳寛
辛みが少なく、シャキシャキした食感が人気のサラダタマネギ。フレッシュのまま食べることによって、生活習慣病予防などの健康効果もアップします。一度植えつければ、栽培は比較的簡単。じわじわと効く有機質肥料を用いた土作りで、甘みとうまみがギュッと詰まった、大きなタマネギを収穫しましょう。恵泉女学園大学人間社会学部教授の藤田智(ふじた・さとし)さんが、育て方のコツを伝授します。

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■栽培期間が短い分、初心者でも失敗が少ない

サラダタマネギとは、水分が多くて辛みが少ない、生食向きタマネギのこと。「新タマネギ」としても親しまれ、長期保存が可能な黄色いタマネギよりも栽培期間が短い分、ビギナーでも失敗が少ないと言えます。
タマネギの歴史は古く、その昔、古代エジプトではピラミッド建設の際に、ニンニクとともにスタミナ野菜として重宝されていたと言われています。辛み成分である硫化アリルは、豚肉などに多く含まれるビタミンB1の吸収を助け、疲労の回復を早めてくれるほか、血液をサラサラにして生活習慣病を予防する効果もあり、加熱せずに生で食べるとより高い効果が期待できます。
栽培方法は、通常のタマネギとほぼ同じ。大きな球を育てるには、適切な太さの苗を選び、浅植え、深植えになりすぎないよう、植えつけ時の深さに注意します。サラダタマネギは保存性の高い中生(なかて)や晩生(おくて)種よりも植えつけと収穫時期が早めなので、追肥(ついひ)の時期もそれに合わせて早めに済ませるのがコツです。栽培期間が長いタマネギには、肥料の効果が長続きする有機質肥料での栽培がおすすめ。複数の資材を組み合わせて生育に必要な成分を補い、甘くてみずみずしい、大玉のタマネギをめざしましょう。追肥にもぼかし肥を使います。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2015年11月号より

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