プランターで大きなタマネギを作る3つのコツ

イラスト:阿部真由美
タマネギは秋に苗を植えつけて、翌年の初夏に収穫するじっくり野菜。少し時間はかかりますが、苗選びや植えつけのコツをつかめば、失敗も少なくて手間いらず。プランターでおいしいタマネギを育てるポイントを園芸家の深町貴子(ふかまち・たかこ)さんに教えてもらいました。

* * *


■苗選びと植えつけ、冬の水ぎれ対策がポイント

独特の辛みと甘みが料理に欠かせないタマネギは、キッチンの常備野菜。栄養価も高く、健康野菜としてもますます人気が高まっています。
食用部分の一部が土に埋まっているように見えるため、根菜(こんさい)類と思われがちですが、じつは葉菜(ようさい)類の仲間。食用部分は鱗茎(りんけい)と呼ばれる肥大した葉です。
ほかの葉菜類と育ち方が異なりますが、タマネギの栽培は手間いらずでとっても簡単。植えつけに適した大きさの苗を選び、水はけのよい土に、茎葉(けいよう)や根を傷めないようにていねいに植えつければ、あとは冬の水ぎれに気をつけて、のんびり収穫を待つだけ。水ぎれ対策には、苗を植えつけるときに黒マルチをすると効果的。マルチで土を覆うと乾き具合がわかりにくいので、割りばしを使った深町流の水分チェックの方法も紹介します。
栽培のコツをつかんで、おいしい自家製のタマネギを味わいましょう。

■大きなタマネギを作る3つのコツ

1 よい苗を選ぼう
苗選びは根元の太さをチェック。ちょうどよい太さの苗を、1日の平均気温が8〜10℃のころに植えつけましょう。気温が高いうちに植えつけると、分球(ぶんきゅう)したり、とう立ちしやすくなったりします。
2 水はけのよい土に植えつけよう
根は酸素を好み、成長すると浅く根を張ります。乾燥に弱い反面、過湿も苦手。水はけが悪いと、根がしっかり張らずに球が大きくならなかったり、球が肥大したときに腐りやすくなったりします。
3 ていねいに植えつけよう
植えつけ時に根や茎葉を傷めると、その後の成長が悪く、球が太らない原因になります。植えつけの深さも重要で、葉身部(ようしんぶ/緑色の部分)を埋めないようにします。
■『NHK趣味の園芸やさいの時間』2015年10月号より

NHKテキストVIEW

NHK 趣味の園芸やさいの時間 2015年 10 月号 [雑誌]
『NHK 趣味の園芸やさいの時間 2015年 10 月号 [雑誌]』
NHK出版 / 669円(税込)
>> Amazon.co.jp

« 前のページ | 次のページ »

BOOK STANDプレミアム