西山ゆかりプロを初優勝に導いた芹澤信雄の「チーム芹澤」とは

芹澤プロと西山プロ 撮影:渡部義一/前田俊二
2010年にシニアデビューし、シニアツアー9戦目の「富士フイルムシニア選手権」で優勝を果たした芹澤信雄(せりざわ・のぶお)プロ。「シニア賞金王」を目標に掲げて戦い続けながら、自らを師と仰ぐ藤田寛之プロ、宮本勝昌プロ、上井邦裕プロらで「チーム芹澤」を結成。2015年2月には、長年の夢の一つだった「チームセリザワ ゴルフアカデミー」を設立し、ゴルフの普及にも尽力している。
そんなチーム芹澤の一員・西山ゆかりプロが、8月上旬に行われた「meijiカップ」で初優勝を飾った。師匠である芹澤プロが自らキャディを務め、師と弟子が一丸となって手にした勝利だった。
芹澤プロが講師を務める『NHK 趣味どきっ! チーム芹澤に学ぶゴルフ 90切りへの近道』ではチームメンバーが芹澤さんを慕う理由を語っている。

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芹澤のゴルフに対する真摯な姿、そして気さくな人柄を慕い、徐々に芹澤の周りにゴルファーが集まりはじめる。
「前の組でバンカーショットを打った芹澤さんの姿に感動して。その後、一緒に練習ラウンドをまわってもらうようになりました」という藤田寛之。「高校・大学の頃から、見ていただく機会があって。ご縁があったというんでしょうか」という宮本勝昌。彼ら2人が芹澤を師匠と仰ぎ、「チーム芹澤」が出来上がった。やがて、上井邦裕や女子プロの藤野オリエ、西山ゆかり、木戸愛らが加わった。
2012年のツアーで年間4勝を挙げ、賞金王となった藤田。芹澤と出会い、低いフェードを抑えて打つことを教わって、自分のゴルフが大きく変わったという。40歳を過ぎてから12勝を挙げ、いまだ進化を続ける「中年の星」藤田は、師匠・芹澤信雄についてこう語る。
「僕たちプロの世界では、自分の理想のイメージを再現するためには、どんな手段を使ってもいいんです。でも、その手段を知っている人は実はあまりいない。スイングコーチのように理想を言うのではなく、自分の通る道の先を歩きながら、理想を再現できなくて苦しむ自分と一緒に苦しんでくれるのが、芹澤さんなんです」
ゴルフ日本シリーズなど公式戦5勝、ツアー通算10勝を挙げている宮本、ツアー屈指のロングヒッターとして知られる上井も、「なぜ、チーム芹澤にいるのか?」という問いに対し、口をそろえて、「芹澤の人柄」「スイングのポイントを見る目の確かさ」を挙げた。
こうした経験と実績を基に、芹澤は新たな道を切り拓こうと2015年2月に大きな一歩を踏み出した。「チームセリザワ ゴルフアカデミー」の設立だ。ジュニアゴルファーの育成やツアーで戦う選手のコーチングなど、世界で活躍できるプロを育ててみたいという夢の実現を目標にしてのことだ。
ゴルフの上達にゴールはない。だからこそ、ひたすら走り続ける。プロゴルファー芹澤信雄もその一人。胸に「後悔はしたくない」という言葉を秘めて──。
■『NHK趣味どきっ! チーム芹澤に学ぶゴルフ ―90切りへの近道』より

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