ぬか床作りは夏野菜が最盛期を迎える前に!

ナス、キャベツ、カブ、ミョウガ、キュウリ、ダイコン、ニンジンは、ぬか床ができたらまず漬けたい野菜。
ぬか漬けは、米ぬかを乳酸発酵させて作ったぬか床で漬ける、日本伝統の漬物。料理研究家の杵島直美(きじま・なおみ)さんに、ぬか床作りの極意を教えてもらいました。

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■初夏はぬか床を作るのに最もよい季節!

母から受け継いだ60年以上続くぬか床を大切にしている杵島さん。「ぬか漬けは、まず“ぬか床作り”から始まります。新しくぬか床を作るには、発酵しやすい5〜6月が最適。家庭で食べきれる量が漬けられればよいので、ぬか1kgでぬか床を作ってみましょう。ぬかの量が少なければ混ぜるのもラクですよ」。
ぬか床を仕込んでから、ぬかが発酵して野菜を漬けられるようになるには2〜3週間かかります。今始めれば、夏野菜が盛んにとれるころには、しっとりなじんだぬか床に育ちます。

■野菜は新鮮なものを

ぬか床ができたら、あとは毎日でもぬか漬けが楽しめます。
「野菜は残りものではなく、新鮮なものを選ぶこと。これが、おいしいぬか漬けの必須条件。家庭菜園で育てた、とれたての野菜なら、言うことありませんね。形が多少悪くても、鮮度がよいものならおいしく漬かります。私もぬか漬けのために、野菜を育てたいくらい」

■ぬか床の扱いのコツは一つ

「野菜がほどよく漬かったら取り出し、ぬか床を底からかき混ぜて空気を入れ、表面をたたいて平らにして余分な空気を抜き、容器の内側をきれいに拭き取ります。この一連の作業が習慣になれば、ずっとおいしいぬか漬けが食べられます」
収穫の最盛期にはとれたて野菜を毎日漬けて、浅漬けをサラダ感覚でいただきましょう。ぬか床を毎日かき混ぜるので、ぬか床もいい状態に。最盛期を過ぎて野菜が少なくなったら、食べる分ずつ漬け、少なくとも2日に一度、野菜を漬け替えます。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2015年6月号より

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