小学生からお年寄りまで! 今年も盛り上がった「全日本女流アマチュア囲碁選手権大会」
- 撮影:小松士郎
3月14、15日の2日間にわたり、女性アマチュアの日本一を決める全日本女流アマチュア囲碁選手権大会が日本棋院にて開催された。小学3年生から79歳まで、全国から集まった92名の強豪たちが繰り広げた熱く華やかな戦い。特に今年は、注目を集める選手が多く出場し、会場を大いに盛り上げた。熱戦の様子をレポートする。
* * *
■女性たちの憧れの舞台
1959年にスタートし、これまで多くの女流棋士を輩出するなど、女性囲碁ファンにとって憧れの舞台であり続けた本大会。今年も、多くのドラマが繰り広げられた。
各地の予選を勝ち上がった選手の中には、制服姿の中・高校生が目立ったほか、小学生も10人以上出場。歳の差60歳以上の対局も見られるなど、囲碁ファンの裾野が広がっていることが分かる。
出場者は経験豊富な強者ぞろい。1次リーグで3勝すれば本戦に進めるが、並大抵のことではない。
出場者の中には、羽根直樹九段の長女、中学1年生の彩夏さんの姿も見えた。彩夏さんがリーグ戦の2回戦で当たったのは、高校生の谷麻衣子さん。谷さんは医大生の姉・結衣子さんと姉妹での出場で話題を集め、この対局は注目の一戦となった。結果は谷さんが中押し勝ちを収めたが、その谷さんもリーグ戦の最終戦で惜しくも時間に追われ投了し、本戦出場はならなかった。
■親子で本選出場!
多くの優勝候補が予選で姿を消す中、誰もが予想しなかった少女が勝ち上がる。埼玉県代表で、小学5年生の大須賀聖良さんだ。お母さんは、本大会の2年前の優勝者・大沢摩耶さんで、今年はシード。親子での出場だけでも驚きなのに、2人とも1次リーグを突破したのだ。
聖良さんは本戦1回戦も勝利。2回戦は昨年の覇者・藤原彰子さんに惜しくも敗れはしたが、順位決定戦でも勝ち星を挙げ、見事7位入賞を果たした。
「娘が予選を抜けるとは、思っていたような、いなかったような…。娘より順位が上でよかったです。あと2、3年は負けません(笑)」と、4位入賞を果たした大沢さんは、二重の喜びに笑顔が絶えなかった。
■藤原さんが連覇
決勝戦を戦ったのは、連覇を狙う藤原さんと、千葉県代表の久代迎春さん。大熱戦となり形勢不明の状況が続いたが、最後は藤原さんが勝利を収めた。
「優勝できるとは思っていませんでした。決勝戦は序盤から読み合いの碁になり、最後までどちらが勝つのか分かりませんでした」と喜びを語る藤原さんは、院生としてプロを目指していたときもあった。「今は囲碁を打つのが楽しいです。結果は、楽しんだあとについてくればいいと思っています」と、囲碁の魅力にさらに引きつけられているようだった。
毎年、新星が現れるこの大会。来年の主役は、あなたかもしれない。
■『NHK囲碁講座』2015年6月号より
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■女性たちの憧れの舞台
1959年にスタートし、これまで多くの女流棋士を輩出するなど、女性囲碁ファンにとって憧れの舞台であり続けた本大会。今年も、多くのドラマが繰り広げられた。
各地の予選を勝ち上がった選手の中には、制服姿の中・高校生が目立ったほか、小学生も10人以上出場。歳の差60歳以上の対局も見られるなど、囲碁ファンの裾野が広がっていることが分かる。
出場者は経験豊富な強者ぞろい。1次リーグで3勝すれば本戦に進めるが、並大抵のことではない。
出場者の中には、羽根直樹九段の長女、中学1年生の彩夏さんの姿も見えた。彩夏さんがリーグ戦の2回戦で当たったのは、高校生の谷麻衣子さん。谷さんは医大生の姉・結衣子さんと姉妹での出場で話題を集め、この対局は注目の一戦となった。結果は谷さんが中押し勝ちを収めたが、その谷さんもリーグ戦の最終戦で惜しくも時間に追われ投了し、本戦出場はならなかった。
■親子で本選出場!
多くの優勝候補が予選で姿を消す中、誰もが予想しなかった少女が勝ち上がる。埼玉県代表で、小学5年生の大須賀聖良さんだ。お母さんは、本大会の2年前の優勝者・大沢摩耶さんで、今年はシード。親子での出場だけでも驚きなのに、2人とも1次リーグを突破したのだ。
聖良さんは本戦1回戦も勝利。2回戦は昨年の覇者・藤原彰子さんに惜しくも敗れはしたが、順位決定戦でも勝ち星を挙げ、見事7位入賞を果たした。
「娘が予選を抜けるとは、思っていたような、いなかったような…。娘より順位が上でよかったです。あと2、3年は負けません(笑)」と、4位入賞を果たした大沢さんは、二重の喜びに笑顔が絶えなかった。
■藤原さんが連覇
決勝戦を戦ったのは、連覇を狙う藤原さんと、千葉県代表の久代迎春さん。大熱戦となり形勢不明の状況が続いたが、最後は藤原さんが勝利を収めた。
「優勝できるとは思っていませんでした。決勝戦は序盤から読み合いの碁になり、最後までどちらが勝つのか分かりませんでした」と喜びを語る藤原さんは、院生としてプロを目指していたときもあった。「今は囲碁を打つのが楽しいです。結果は、楽しんだあとについてくればいいと思っています」と、囲碁の魅力にさらに引きつけられているようだった。
毎年、新星が現れるこの大会。来年の主役は、あなたかもしれない。
■『NHK囲碁講座』2015年6月号より
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