欧米でも好評! ツツジの魅力を再発見

ミツバツツジ。撮影:今井秀治
『万葉集』にも詠われた日本人にとってなじみの深いツツジは、古くから庭園や盆栽、生け花などにも使われ、現代では街路樹として欠かせない植物です。身近であるがゆえに見落とされがちですが、ツツジの個性や長所はたくさんあります。ツツジの魅力を、再発見してみませんか。東京農業大学 グリーンアカデミーの大出英子(おおいで・えいこ)さんが紹介します。

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■現代の庭で生かしたいツツジの魅力

ツツジは、日本庭園や街路樹でよく見られる身近な植物ですが、強く刈り込まれているものを多く見かけます。そのため、一般家庭の庭や洋風の庭には似合わないとされたり、刈り込む手間がかかると思われているようで、最近では残念なことに、ツツジが植えられている庭をあまり見かけなくなりました。
ところが、5月にイギリスをはじめ欧米諸国を訪れると、以前にも増して多くの庭が多彩なツツジに彩られていることに驚かされます。
じつは、ツツジのように株全体が鮮やかな花色で染まる植物の種類は、それほど多くありません。また、ツツジのように暑さ、寒さに強く丈夫で、刈り込んでも放任しても毎年たくさんの花を咲かせてくれる樹種は、とても貴重な存在です。仕立て方によって、和風にも洋風にも使える活用範囲の広い植物、ツツジの魅力を見直して、庭をツツジで彩ってみましょう。
■『NHK趣味の園芸』2015年5月号より

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