井山裕太棋聖vs一力 遼七段のゴールデンカード実現! NHK杯準決勝

左/井山裕太棋聖 右/一力 遼七段 撮影:小松士郎
3月1日に放送された第62回 NHK杯準決勝は、これまでにないほど注目を集めていた。25歳の井山裕太(いやま・ゆうた)棋聖と、17歳の一力遼(いちりき・りょう)七段の初顔合わせとなるうえ、夏場に行われるテレビ囲碁アジア選手権への出場権がかかっているからだ。

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いよいよ準決勝。この舞台設定だけで大きな関心を集めるのは当然だが、本局はそれ以上に「顔合わせ」という点で、ファンからも関係者からも、かつてないほどの注目を浴びる一戦となった。
井山裕太棋聖vs一力遼七段──四冠を保持する25歳の第一人者に、次世代の旗手としての期待を背負う17歳の俊英。待ちに待った顔合わせとはこのことで、まさに「垂涎(すいぜん)の顔合わせ」と呼ぶにふさわしい。
しかも両者は、本局が公式戦初手合。これまで研究会の練習碁での対戦はあるとのことだが、それはあくまで勝敗にこだわりのないスパーリングで、膨大な数のファンが熱視線を送る本棋戦の準決勝とは、まるで舞台が違う。
数年後、いや今年中にもタイトル戦で雌雄を決することになるであろう両者の初手合は、期待にたがわぬ激戦に。一手30秒の早碁とは思えぬ緻密さに加え、大石が死ぬか生きるかの大捕り物ともなった。囲碁の醍醐味(だいごみ)ここにあり、と公言して恥じぬ名勝負である。
※本局の解説と棋譜はテキスト『NHK囲碁講座』5月号54ページからの観戦記に掲載しています。
■『NHK囲碁講座』2015年5月号より

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