村川大介王座が教える アタリを打つときのポイント
テキスト『NHK 囲碁講座』では、2015年4月号から新連載「村川大介の強くなる囲碁用語講座」がスタートしました。村川王座が毎月一つずつ囲碁用語を取り上げ、即実戦で活用できる考え方を伝授していきます。第1回のテーマは「アタリ」です。
* * *
今月から「囲碁用語」をテーマに講座を開講することになりました。囲碁用語といっても、ただ言葉の説明をするわけではありません。ふだん何気なく打っている一手一手の意味を掘り下げ、実戦ですぐに効果が表れる考え方を学んでいただきます。
初回となる今回は、皆さんがいちばんなじみ深い「アタリ」についてです。
■アタリは相手の石を強くする
アタリの意味は、いまさら説明するまでもないでしょう。では、その性質をご存じですか? あと一手で石を取れるから、相手の石を弱くする手? いいえ、アタリは、相手の石を強くする手なのです。
■1図(アタリ)
黒1がアタリなのはお分かりですね。白石の逃げ道は一つだけです。しかし…
■2図(逃げられる)
白2と逃げられると、白の逃げ道は3つに増えてしまいました。つまり、アタリによって白を強化したことになるのです。
■3図(やはり黒を固めてしまう)
このような場面で黒1とアタリするのは白2とツガれ、白が強い形になっただけでなく、黒の断点ばかりが目立ちます。
■4図(じっとツグ)
黒1とツイでおくのが正しい態度です。黒はaの切りをにらみながら打ち進めます。
■アタリを打つときのポイント
(1)相手の石を取れるとき
(2)自分の形を整える(相手の形を崩す)とき
(3)相手の石を強くしてもいいとき
(4)相手の石を分断して戦うとき
(5)あとからではツナいでもらえないとき
この5つが、アタリを打ってもいい場合の条件です。もちろん例外はありますが、どれも当てはまらない場合は、アタリはなるべく打たないほうがいいのです。アタリは相手の石を強化するということを肝に銘じてください。
■『NHK囲碁講座』2015年4月号より
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今月から「囲碁用語」をテーマに講座を開講することになりました。囲碁用語といっても、ただ言葉の説明をするわけではありません。ふだん何気なく打っている一手一手の意味を掘り下げ、実戦ですぐに効果が表れる考え方を学んでいただきます。
初回となる今回は、皆さんがいちばんなじみ深い「アタリ」についてです。
■アタリは相手の石を強くする
アタリの意味は、いまさら説明するまでもないでしょう。では、その性質をご存じですか? あと一手で石を取れるから、相手の石を弱くする手? いいえ、アタリは、相手の石を強くする手なのです。
■1図(アタリ)
黒1がアタリなのはお分かりですね。白石の逃げ道は一つだけです。しかし…
■2図(逃げられる)
白2と逃げられると、白の逃げ道は3つに増えてしまいました。つまり、アタリによって白を強化したことになるのです。
■3図(やはり黒を固めてしまう)
このような場面で黒1とアタリするのは白2とツガれ、白が強い形になっただけでなく、黒の断点ばかりが目立ちます。
■4図(じっとツグ)
黒1とツイでおくのが正しい態度です。黒はaの切りをにらみながら打ち進めます。
■アタリを打つときのポイント
(1)相手の石を取れるとき
(2)自分の形を整える(相手の形を崩す)とき
(3)相手の石を強くしてもいいとき
(4)相手の石を分断して戦うとき
(5)あとからではツナいでもらえないとき
この5つが、アタリを打ってもいい場合の条件です。もちろん例外はありますが、どれも当てはまらない場合は、アタリはなるべく打たないほうがいいのです。アタリは相手の石を強化するということを肝に銘じてください。
■『NHK囲碁講座』2015年4月号より
- 『NHKテキスト囲碁講座 2015年 04 月号 [雑誌]』
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