ベランダでキノコ狩りができる! キノコ栽培にチャレンジ

キノコ栽培のスタートは、ほかの野菜が休んでいる冬の間がチャンス。ちょっと時間はかかりますが、翌年秋からのキノコ狩りをめざして、シイタケとヒラタケの原木栽培に挑戦しましょう。園芸家の深町貴子(ふかまち・たかこ)さんが指南します。

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■軒下やベランダを有効活用! 香り高いキノコの原木栽培

キノコは青果売り場で野菜といっしょに売られていますが、正確には菌類の一種。植物のように葉緑素を持っていないため、自分で光合成をして栄養分を作り出すことができません。そのため、食用キノコとしておなじみのシイタケ、ヒラタケなどは、自然の状態では森の中のコナラやミズナラ、クヌギ、ブナなどの落葉広葉樹の倒木に付着し、栄養源である木を分解しながら生活しています。
こうした独特の生態を理解すれば、キノコ栽培のハードルはぐんと低くなります。市販の原木に育てたいキノコの菌を植えつけ、環境を森の中に近づけるように直射日光を避け、湿度を保ちながら管理するだけで、翌年の秋から数年にわたって自宅でキノコ狩りが楽しめます。
原木で育てたキノコは、まさに「木の子」の名前どおり、食べると口の中にふわっと木の香りが広がります。ぜひ、この冬から香り高いキノコの原木栽培にチャレンジしてみましょう。

■原木シイタケはこう育つ!

植菌(しょくきん)[2月上旬〜4月中旬]
原木に一定の間隔で穴をあけ、種駒(たねこま/木片にシイタケ菌をつけたもの)を打ち込む。
 
仮伏(かりぶ)せ[植菌後すぐ]
植菌を終えたら、すぐにほだ木(植菌した原木)をポリ袋で覆って湿度を保ち、菌の活着を促す。
本伏(ほんぶ)せ[4月下旬から翌年9月下旬まで]
最低気温が10℃以上になったら、蒸れないようにポリ袋をはずし、遮光ネットでほだ木を覆って直射日光を防ぐ。
天地返し[6月、9月]
本伏せの途中、菌糸が木の内部にまんべんなく伸びるように、6月と9月に、上下を入れ替える。
ほだ倒し・浸水[9月下旬]
金づちで叩く、水につけるなどの作業でシイタケ菌に刺激を与え、発生を促す。
収穫[2年目以降の10月中旬〜4月上旬]
シイタケの発生は2年目の秋から。収穫後にポリ袋で覆って保温と保湿をすると、春まで数回収穫できる。4月下旬以降は本伏せからの作業を繰り返し、毎年秋から春に収穫する。長さ90cmの原木で4〜5年間栽培が続けられる。
※テキストでは写真入りで詳しい手順を紹介しています。
■『NHK趣味の園芸』やさいの時間2015年2月号より

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