相撲部屋においしさの秘密を聞きました! 力士絶賛のちゃんこ鍋

宮城野部屋の鶏だんご鍋 撮影:鈴木雅也
アツアツの鍋物がうれしい季節です。一年を通して“鍋物”を食べている相撲部屋におじゃまして、おいしい秘密を教えてもらいました。

* * *


■宮城野部屋

横綱・白鵬(はくほう)を擁する宮城野部屋。ここで力士たちの食事一切を仕切るのがマネージャーの岩崎 悟(いわさき・さとる)さん。毎食手元にある材料を上手に使って、たくさん食べられるように創意工夫を欠かしません。なかでもちゃんこ鍋は毎日のこと。「今の子は食が細いから、意識して野菜をとらせるようにしています。それには鍋物がいちばん」と、1週間ごとに違う味つけで、変化をつけています。特に今回の鶏だんご鍋は来客時や地方巡業で大活躍の人気鍋。巡業先にミンチ機を常備するなどしてその味を支えています。
宮城野部屋の鶏だんご鍋
特製の鶏だんごが入った宮城野部屋のちゃんこ鍋。ふっくらとしてコクのある鶏だんごがおいしさの要。丁寧にとられただしに具のうまみが溶け出したとても上品な味つけです。

■伊勢ノ海部屋

250年あまり続く名門、伊勢ノ海部屋。女将(おかみ)さん、マネージャーの浅坂直人(あささか・なおと)さんを中心に、兄弟弟子がちゃんこをつくります。ご飯をたくさん食べられるようにと濃いめの味つけが特徴で、今回のソップ炊きもその一つ。「若い子たちは魚や野菜を食べたがらないけれど、鍋物は野菜嫌いでも箸を入れれば自然と野菜がついてくる(笑)。栄養面からみてもとても合理的」と浅坂さん。“食べるのも稽古のうち”と、体重増を目指す力士を後押ししています。
伊勢ノ海部屋のソップ炊き
ソップとは鶏ガラのことで、そのスープを使ったソップ炊きはちゃんこ鍋の基本といわれ、各部屋ごとに味が違うそう。伊勢ノ海部屋では、コクのある濃いめの甘辛味に仕上げています。

 




■玉ノ井部屋

大勢の力士を抱える玉ノ井部屋。毎日の食事は大変な量ですが、調理場は和気あいあいとした雰囲気。朝稽古後の食事はちゃんこ鍋のほか、大皿料理2品が必ず並び、夜は夜で大皿料理に漬物、小鉢などが並ぶ充実ぶりです。なかでも今回の湯豆腐に添えるたれは、代々部屋に伝わる味に、ちゃんこ長の磯東(いそあずま)さんが改良を重ねたもの。食材と味のバランスを考えながら、力士が少しでも増量できるようにサポートを続けています。
玉ノ井部屋の湯豆腐
玉ノ井部屋の湯豆腐は、秘伝のたれが味の決め手。削り節のうまみと、仕上げの青のりの香りがふっくらと煮上がった具を引き立て、大満足の味! 煮汁を注げば、じんわり温まる最高のスープに。

 



※それぞれの鍋のつくり方は『きょうの料理』2015年1月号に掲載しています。
■『NHKきょうの料理』2015年1月号より

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