「ぜんざい」という名前の由来は一休さんの言葉だった?

納豆といえば、ネバネバと糸を引く納豆を想像しがちですが、「寺納豆」と呼ばれる糸を引かない納豆をご存じですか? その名のとおり、お寺との縁が深い「寺納豆」。なかでも一休寺(いっきゅうじ)納豆は、一休さんでおなじみの一休禅師がつくり方を教えたとか。
そんな一休禅師と小豆の知られざるエピソードを曹洞宗八屋山普門寺 副住職の吉村昇洋(よしむら・しょうよう)さんと、浄土真宗東本願寺派緑泉寺住職の青江覚峰(あおえ・かくほう)さんに教えてもらいました。

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大豆からつくる保存食、寺納豆を広めた一休禅師。実は、大豆のほかに小豆とも意外な縁があります。それは、お汁粉の別名でもある「善哉(ぜんざい)」の由来について。
善哉とは、もともとはお経に出てくる言葉で、サンスクリット語のサードゥの訳語。善きかな、すばらしい、そのとおりだ、といったことを意味します。仏が弟子の言ったことに賛意を表す場合などに使われます。
あるとき、ある人が小豆の汁に餅を入れたものを一休禅師にお出ししたところ、そのおいしさに一休禅師が「善哉此汁(よきかなこのしる)」とおっしゃったそう。そこから、小豆に餅を入れたものを善哉と呼ぶようになったといわれています。
またこのほかにも、出雲地方に伝わる神在餅(じんざいもち)がなまってぜんざいもちになり、善哉の字が当てられたという説などもあります。
■『NHK趣味Do楽 いただきます お寺のごはん 〜心と体が潤うレシピ〜』より

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