再婚の場合は? 子連れで出席する際のご祝儀は? 結婚祝いのギモンを解決

祝儀袋はお祝いの言葉を述べてから、相手に向けて両手で差し出す。 イラスト:須山奈津希
結婚式に対する意識は時代とともに変化してはいるものの、結婚は新たな人生のスタートであり、その決意を身近な人に伝えて認めてもらう「けじめの儀式」であることに変わりはありません。出席すると決めたら、大切な儀式に立ち会うために、しきたりやその意味を知って、自分らしいお祝いを服装や金品で表現したいものです。
しかし今は2人だけで挙式したり、外国で式を挙げたり、レストランを貸し切っての披露パーティーなどそのスタイルはさまざま。結婚式やお祝いにまつわる「こういうときどうするの?」という8つの疑問を、「清紫会」新・作法学院学院長の近藤珠實(こんどう・たまみ)さんにお答えいただきました。

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■会費制の披露パーティー

例えば会費が1人1万円の場合は、当日1万円を受付で払えばOK。会費はむき出しでいいですが、気になる人は封筒に入れても。ただし、受付で金額を確認してもらわなければならないため、水引のかかった祝儀袋はかえって受付の人に迷惑がかかります。

■再婚の場合

ご祝儀は単にお金のやりとりではなく、お祝いの気持ちを表現する手段のひとつ。再婚であっても祝う気持ちがあれば、最初の結婚のときと同じように贈ります。

■夫婦・子連れでの出席

夫婦で結婚式に招かれた場合、1人2万円を包むつもりであれば、自分の立場や相手との関係を考えて、3万円か5万円にします。3万円で少ないようなら、別に1万円程度の品物を贈っても。子ども連れの場合、席や料理が必要な年齢なら、大人の半額程度を包むようにします。両親と子ども1人なら、5万円が目安となります。

■結婚と出産が重なった

時期にもよりますが、きちんとお祝いしたいのなら両方お祝いしてもかまいません。その場合、結婚祝いは現金を、出産祝いは品物を贈るという方法も。結婚式を挙げないなら出産祝いだけで十分です。ただし、出産祝いは無事に生まれたあと贈るのがマナーです。

■挙式をせず、入籍のみ

式を挙げない理由はさまざまで、お祝いをいただいたり、お返しをするのにかかる手間をわずらわしいと考える人もいます。本人たちから「式は挙げませんが、結婚したので今後ともよろしく」ときちんとあいさつされたなら、「おめでとうございます、お幸せに」と祝福するだけで十分です。

■結婚を後日知った

相手との関係によって、お祝いをするか決めます。「おめでとう」の言葉だけでもいいし、メッセージカードだけでもかまいません。もろちん、現金や品物を贈っても。ただし、タイミングが大事なので、結婚後1か月くらいまでを目安に贈りましょう。

■遠方からの出席

遠方から出席するには、お祝い金のほかに交通費や宿泊費がかかります。本来、交通費は招く側が負担するのが礼儀ですが、実際には考え方はさまざま。出席すると決めたら、相手に期待せず、自分が負担するつもりでいましょう。経済的に負担に思う場合は、お祝いだけ送り、無理に出席する必要はありません。

■喪中の場合

家族や肉親に不幸があった場合、基本的に四十九日(忌明〈きあ〉けといい、故人が仏になる)までは、お祝いの席には出席しないのが礼儀。四十九日を過ぎていても、一周忌を迎えるまでは、先方に確認するほうが安心。四十九日以内でも、先方に出席を強く望まれ、自分も心の整理がついていれば、出席してもいいでしょう。
■『NHKまる得マガジン いまどきの 冠婚葬祭とおつきあいのマナー』より

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