WEBライター・ヨッピーさんが教える「好き放題しながら楽しく稼ぐ方法」
- 『明日クビになっても大丈夫!』
- ヨッピー
- 幻冬舎
- 1,512円(税込)
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WEBライターのヨッピーさんといえば、ふだんインターネットに親しんでいる人であれば一度はその名前を目にしたことがあるのではないでしょうか。名前は知らずとも、「現役の千葉市長とゲーム対決をする」「AV女優と童貞を合コンさせる」「24時間テレビの100kmマラソンが本当に大変なのか試す」といったネタをあげれば「ああ、その記事を書いたライターさんね!」と思い当たる人は多いはず。
本書は「インターネットで一番数字を持っているライター」と呼ばれるヨッピーさんが、会社に寄りかからず、好き放題しながら楽しく稼いで生き延びる方法を記した一冊です。好きな事でお金を稼ぐだなんて、一部の才能ある恵まれた人の特権のように感じますが、ヨッピーさんは「趣味でお金を稼ぐ事って、今の時代においては実はそんなに難しい事ではない」(本書より)と言い切ります。そして、ヨッピーさん自身がどのようにここまでやってきたのかというハウツーを惜しげもなく披露してくれています。
まず、ヨッピーさんが一つあげているのは「こっそりと二足のわらじを履こう」というもの。何かやろうと思い立ったからといっていきなり会社をやめても、すぐに稼げるなんて、そんなうまい話はない! かつてヨッピーさんがそうであったように、「サラリーマンとしての収入で『生活の安定』を維持し、もう一方の趣味で『自己実現』を追求すればいい」として、まずは本業と並行して趣味を徐々に発展させていくことを薦めています。
それから、もうひとつ大事なのは「何をお金に変えていくのか」。ヨッピーさんによると、自分の好きな事であり、趣味の延長戦として捉えられるものを選ぶべきなのだとか。自分の「したい事」「するのが好きな事」を徹底的に洗い出す。そしてそれが見つかったら、その趣味をただ消費するだけでなく何かしらのアウトプットを世に対して続ける。それによって、人に見られることでモチベーションが上がったり、新たに知識が蓄積されていったり、さまざまな情報が集まってきたりしてどんどん実力以上のことがやれるようになるのだといいます。
今の時代、インターネットがあれば、こうした「趣味を生産型に変える」ことは不可能なことではないし、実際に趣味をお金に変えている人はヨッピーさんに限らずともたくさんいます。これがヨッピーさんが言うところの「趣味でお金を稼ぐ事ってそんなに難しい事ではない」という意味なのでしょう。
このほか、「会社を辞めてもいい三つの条件」や「会社を辞める事のメリットとデメリット」、「ライバルに勝つための『ちょい足し』のススメ」......果てはヨッピーさんの収入に関する話なども本書ではざっくばらんに書かれています。
この本を読んで感じるのは、一見荒唐無稽なことばかりしているように見えるヨッピーさんですが、実際は"バカ"を真面目に、とことん全力でやっている。だからこそ、クライアントにも読者にも信頼されうる売れっ子ライターになりえているということです。
正直、皆が皆、ヨッピーさんのようにうまく行くとは限らないでしょう。けれどもし、今、会社が死ぬほどつまらないなら。何か面白いことをして生きていきたいと思うなら。そのトップに抜きん出ているヨッピーさんの言葉から、学ぶことはきっと多いに違いありません。