"清水の舞台から飛び降りる" 実際に飛び降りた人はどうなった?

この寺社を見ずに死ねるか (角川新書)
『この寺社を見ずに死ねるか (角川新書)』
KADOKAWA/角川書店
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"清水の舞台から飛び降りる"------現在では、思い切って大きな決断をするときなどに使われることわざですが、元々は別の意味があったといいます。

 雅楽や能、狂言、歌舞伎や相撲をはじめとする芸能が演じられる舞台として、11世紀の終わりにはすでにあったといわれている清水の舞台。清水寺の見どころのひとつとなっている、この4階建てのビルほどの高さの舞台を支えるのは、139本の欅の柱。そのうち最も長いものは12メートルにも及びます。釘を1本も使わない"懸造り(かけづくり)"と呼ばれる構造になっており、約184平方メートルある舞台には、厚さ10センチの檜の板が410枚以上敷かれています。

 1995年からは、毎年暮れになると"今年の漢字"が発表、揮毫される場所でもある清水の舞台ですが、江戸時代にはことわざの文字通り、実際にこの舞台から飛び降りた人も多かったそうです。

 清水寺の境内にある、成就院という塔頭の寺役人が残した江戸時代の記録『成就院日記』によれば、148年の間で234件もの飛び降りの記載が。死者数は34人にものぼったようです。

"飛び落ち"と呼ばれるこうした行為の背景には、清水寺の本尊である観音菩薩に命を預けて飛び降りれば、命が助かる上に願いがかなうという信仰があったとのこと。つまり、"清水の舞台から飛び降りる"とは、本来願掛けの意味を持つ言葉だったことがわかります。

 ちなみに、本尊の千手観音像は秘仏。開扉は33年に一度のため、次にお目にかかれるのは2033年となっています。

 宗教学者、作家である島田裕巳さんによる書籍『この寺社を見ずに死ねるか』では、島田さんが訪れた日本全国の神社仏閣のなかから、とくにオススメの39の寺社を紹介。なぜ訪れるべきなのか、その見どころを解説していきます。

 清水寺からもほど近い、三十三間堂もそのひとつ。そしてここで圧倒されるのは、本尊の千手観音像と1001体もの立像。

 平安時代の末期、1164年に建立された三十三間堂ですが、1249年の大火によって多くの像を焼失。かろうじて救い出した立像は124体。現在祀られている1001体のなかに、その124体も含まれているといいます。

 そして焼けてしまった残りの877体の立像は、慶派さらには仏師の集団である院派や円派の協力のもと制作。三十三間堂の再興は京の街をあげての大事業だったのだとか。

「全国の神社仏閣を訪れてみて、私たちは本当に幸福な国に生きていることを実感する。これだけの長い歴史をもつ神社仏閣が、今も生きた形で存続していることは驚異だ。実はそうした国はほかに存在しない」(本書より)という島田さん。

 本書で得た知識と共に訪れれば、いつもとは一味違った楽しみ方ができるかもしれません。

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