サッカーの監督が選手を激励する「ペップトーク」は、ビジネス・家庭でも生かせる

COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2014年 09月号 [雑誌]
『COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2014年 09月号 [雑誌]』
講談社
800円(税込)
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 あなたがサッカー選手だった場合。試合前に監督から以下、二通りの言葉をかけられたら、それぞれどう感じるでしょうか。

「今日は決勝戦。相手チームは全国大会の常連チームだ。お前たちの強さを証明するチャンス。お前たちらしく、ガッチリ守ってワンチャンスをものにしよう!」

「今日は決勝戦。相手チームは全国大会の常連チームだ。まともに戦ったら絶対に負ける相手だ。ボールをとられても焦るな。気持ちで負けたら終わりだからな。」

 どんな選手だって、決勝戦ともなれば神経質になりがちなもの。ですが、監督からの言葉が前者か後者では、まったくプレイの質が変わってきます。こういった監督の激励の言葉はペップトークと言われており、「①真実を受け入れ、②ポジティブに解釈し直す、③してほしいことをポジティブな言葉で伝え、④背中をひと押しする」が基本形となっています(書籍『クーリエ・ジャポン』日本ペップトーク普及協会)

 ですので、「今日は決勝戦。相手チームは全国大会の常連チームだ(①真実を受け入れ)。お前たちの強さを証明するチャンス(②ポジティブに解釈し直す)。お前たちらしく、ガッチリ守ってワンチャンスをものにしよう!(③してほしいことをポジティブな言葉で伝える)さあ、思いっきり暴れてこい!(④背中をひと押し)」といった前者の形で選手を鼓舞することが監督に求められるのです。

 同書では、このペップトークが職場や家庭でも有効だと紹介しています。例えば、プレゼン前に上司が部下にかける言葉。

「大事なプレゼンで緊張しているのか? 負けるわけにはいかないプレゼンだ。
緊張するのは仕方がない。→それだけ真剣にこのプロジェクトに取り組んできたってことさ(ポジティブに解釈)。
失敗を恐れず、想いをぶつけてくれば絶対に負けない。→クライアントと一緒に成功する姿をイメージしながら想いをぶつけてこい(ポジティブに願う)。
終わったら祝杯をあげようぜ。」

 また、演奏会の舞台袖で親が子どもにかける言葉だとこうなります。
「○○ちゃん、手が震えているのね。
気にすることないわよ。→それは、あなたが本気になった証拠よ(ポジティブに解釈)。
途中で間違えても最後まで諦めずに演奏しようね。→本気を出せば最高の演奏ができるっていつも言ってるよね(ポジティブに願う)。
さあ、いってらっしゃい」

 指導者や親の発する言葉は、良くも悪くも影響力があるもの。良い効果を生み出すために、このペップトークを意識してみてはいかがでしょう。

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