「カープ女子」は現代の聖母か?
- 『球場ラヴァーズー私が野球に行く理由ー 01 (ヤングキングコミックス)』
- 石田 敦子
- 少年画報社
- 576円(税込)
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本日から開催されるプロ野球オールスター戦。ペナントレースでは、超絶ハイレベルな二刀流で野球ファンの度肝を抜き続けている大谷翔平選手(北海道日本ハム)が、夢の舞台でもどれだけのパフォーマンスを見せるのかに注目が集まっています。
そんな中、今回のオールスターでは広島カープが12球団最多となる8人の選手がファン投票により選出されたことも話題となっています。昨年、16年ぶりのAクラス入り、そして今シーズンも首位巨人に5ゲーム差の3位(17日現在)と後半戦の巻き返しが期待できる好位置をキープしており、チームの好調さがファンの投票行動を後押しした形です。
そして、その投票数の多さと比例するように、カープを応援する女性ファン「カープ女子」が目下、増殖中です。他球団も女性ファンが増える傾向はありますが、ホームゲームに限らずカープの試合には、多くの女性が球場に集まるなど応援席の女子率は12球団随一。各メディアも昨年あたりから、カープ女子を取り上げることが多くなったので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
そんなカープ女子の存在を世に広めたのが本書『球場ラヴァーズ』。東京に住む野球素人の女子高生が、あることをきっかけにカープ女子になる様子を描いた野球マンガです。野球マンガと言っても、プレーの描写はなく、ひたすら応援席から写るカープをテーマに物語は展開されていきます。
ちなみに作者の石田敦子さんも筋金入りのカープ女子で、好きな選手は北別府学さんだとか。1963年生まれの石田さん、山本浩二さんでも衣笠祥雄さんでも津田恒美さんでもなく、北別府さんをフェイバリットプレイヤーに選ぶあたりがステキです。
広島カープは昨年、今年と弱小球団から脱皮しようとしていますが、「カープ女子ブーム」は暗黒時代に生まれ、そして勢いを増しています。弱かろうと心から応援し続ける彼女たちの聖母のような優しさはどこから来るのでしょうか?
そこで、広島県出身で"生まれた時からカープ女子"の大井智保子さんにずばり、カープ女子増殖の理由を聞いてみました。
「やっぱり若手選手にイケメンが多いからだと思います。一岡竜司、野村祐輔、堂林翔太、大瀬良大地......みんなカッコいいじゃないですか! で、ここ2年くらいで一気に増えたのは、そういうイケメン若手が活躍して実際にチームが強くなってますからね。だから応援していてもやりがいがあるし、女の子を虜にしているんだと思います!」
結局、イケメンの若手選手が多くて、みんな活躍しているから球場に行ってるということでしょうか......やはり顔が重要なのですね。
「いえいえ、決してそれだけじゃありません! たしかにここ2年くらいで急にカープ女子が増えているのでは、そういうイケメンの若手選手が活躍していることが大きい要因だとは思いますが、古参のカープ女子はベテランだろうがブサメンだろうがチームが弱かろうが、ずっと応援し続けていますから! ええ、顔ではなく練習やプレイを見てるんですよ!」
弱くても選手がブサメンでも、平均年齢が上がろうとも、カープ女子はいつまでも広島カープを応援し続ける聖母のような存在であってほしいと願うばかりです。