孫正義社長の「やりましょう」はもう聞けない?
- 『経営センスの論理 (新潮新書)』
- 楠木 建
- 新潮社
- 799円(税込)
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NTTドコモの参戦でついに携帯電話大手3社から出そろったiPhone。各社全く同じ端末を取り扱うだけに、使用料をはじめとした本格的な値下げ競争が始まりました。しかし3社とも最新機種iPhone5s・5cの下位モデルは「実質0円」とするなど、その戦況は完全に横並び状態となっています。
そこで各社が差別化をはかるために力を入れるのがネットワーク環境の整備。この分野でリードしているのが、2年ほど前から高速通信サービス・LTEの整備に取り組んでいるKDDIです。今回発売された5s/5cは以前のものより電波が届きやすい800MHzの周波数帯をサポートするようになりましたが、今年8月時点での同社のLTE基地局免許許可数は競合する2社が3万台であるのに対し5.5万と他社を圧倒。社長の田中孝司氏も「これでダントツでやっていける」と胸を張ります。
しかし社長は社長でも、その言動に戸惑いの声が上がっているのがソフトバンクの孫正義氏です。ツイッターでユーザーからのクレームや要望に進んで対峙し、メディアへの露出も多かった孫氏でしたが、なぜか今回の新型iPhoneの国内発表イベントに欠席。一時はツイッターからも姿を消し「孫正義生きてるの?」という声までネット上で散見する始末。孫氏曰く、つぶやきをやめていた理由は「一言つぶやくと(他社に)次の手を想像されてしまいそうだから」ということでしたが、いきなりの"沈黙"にユーザーからはとまどいの声も挙がりました。
競争戦略とイノベーションを専門とする楠木建氏は自身の著書『経営センスの論理』の中で、古今東西の優れたリーダー、経営者の条件のひとつが「ハンズオン」の精神だと語ります。ハンズオンとは「現実の現場にある現象や現物を自分の眼で見」、「問題を自分の手で触って知る」こと。92年のジョージ・ブッシュの大統領選挙演説でも、この"hands-on"という言葉はしきりに使われたそうです。
経営者たるもの「奥座敷に引っ込んでないで自ら現場に出る」。孫氏が何でも「やりましょう」と言っていた頃の勢いを取り戻すことができるのかに、注目が集まりそうです。
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ソフトバンク孫社長、ついに沈黙をやぶる!~拡がる戸惑いの声 ~
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