「バルス祭り」以外にも注目ポイント満載!「天空の城ラピュタ」制作裏話

ジブリの教科書2 天空の城ラピュタ (文春ジブリ文庫)
『ジブリの教科書2 天空の城ラピュタ (文春ジブリ文庫)』
スタジオジブリ
文藝春秋
710円(税込)
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 本日、「金曜ロードSHOW!」にて、宮崎駿監督の名作アニメ「天空の城ラピュタ」が放送されます。放送14回目となる同作品、近年は、劇中にあわせて呪文「バルス」をSNSや掲示板に書き込む「バルス祭り」が賑わいをみせています。前回放送時には、毎秒2万5088ツイートを記録し、当時の世界記録を樹立。現在の記録、毎秒3万3388ツイートを今夜更新できるか、注目が集まります。

 その「天空の城ラピュタ」は、青い石のペンダントを持つ少女・シータと出会った少年・パズーが、彼女を守るべく一緒に旅に出る物語。目指すのは、空に浮かぶという伝説の城「ラピュタ」。道中、大事なものを守ろうとするパズーは、「大人の男」に成長していきます。また、2人の関係性の変化も見所です。

 ストーリーのみならず、音楽やイラストなど、多方面で完成度の高い同作ですが、ユニークなキャラクターも数多く登場します。なかでも、空中海賊・ドーラ一家は、作品にコミカルな味付けをしていると、書籍『ジブリの教科書2 天空の城ラピュタ』のなかで紹介されています。

 ミセス・ドーラがひきいる空中海賊、彼らが狙うのは金持ちの乗った豪華客船。ドーラ一家は、フラップターによる水際だった行動で、軍すら手を焼く存在として描かれています。ドーラは60歳位の老女。頭がよく強欲ながらも、息子たちの無能さをなげく愛情も持ち合わせているキャラクター。

 このドーラの初期設定について宮崎駿監督は、優しいお母さんではなく、ダメな息子は蹴飛ばすし、見込みがあると判断したらいくらでも力になるという母を出したかったといいます。ドーラは、口やかましくうるさい存在ではありますが、子どもが心意気に燃えている姿をみると、「坊や、しっかりやんな」と考え、そっとフォローするのです。そんな逞しく優しい振る舞いは、息子たちをはじめ、パズーとの接し方からも見て取れるでしょう。

「ドーラは出てくる時、息子に背負われてるとか考えたけど、あらゆる面で息子に負けないオバさんのほうがいいやと思いました」(宮崎監督・書籍『ジブリの教科書2 天空の城ラピュタ』より)

「後半は活躍しないんですけど、本当はさせたかった。活躍できるように考えたんだけど、結局、後半の戦いはパズーが自分でケリをつけないといけないところですしね。だから、ドーラたちはお宝探して逃げだすだけにしちゃった」

「ラストも、パズーに宝石を一個ポーンと渡して『持ってきな、ジャマにはならないよ』といわせようと決めてたんですが、シータを抱きしめる方がキャラとして完結するなって思ってラストを変えたんです」

劇中で、「しっかりしろ! グズはキライだ」と叫ぶドーラ。自身もそう叫びたくなるという宮崎監督にとって、ドーラは愛着のあるキャラクターなのでしょう。

「バルス祭り」も気になるところですが、ドーラ一家に注目しながら観賞するのも、「天空の城ラピュタ」の楽しみ方の一つかもしれません。

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