手塚治虫の息子が新たな挑戦! 長編ホラーを初執筆
- 『トランス ~位牌山奇譚 (タソガレ文庫)』
- 手塚 眞
- 竹書房
- 700円(税込)
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梅雨明けを待たずして連日、西日本では猛暑が続き、夏の到来を予感させるこの季節。夏といえば、やはり"ホラー"。前田敦子主演のホラー映画『クロユリ団地』も好評ですが、そのジャパニーズホラーブームの先駆者である手塚眞氏が、長編ホラー小説『トランス 位牌山奇譚』を発表しました。
本書の主人公は、有名大学卒業後、大手広告代理店に入社するも、エリート街道から脱落し、ニートから占い師の助手となったイケメン・志藤渚左、そして、そこで出会った霊感少女・七海。二人はとある依頼をきっかけに、猟奇殺人事件に巻き込まれ、命を狙われることになります。
これまでもホラー小説を書いてきた手塚氏ですが、長編作品は自身初。サイコホラー、そしてミステリーが入り混じり、一気に読ませる展開に。もちろん長編映画やドラマ、PVなど多くの映像作品を手掛ける"ヴィジュアリスト"らしく、目の前に映像が浮かぶような描写は秀逸です。
また、本書はあくまでプロローグ的なものであり、今後も続くとのこと。自身のブログで、年内には続編を発表したいと目標を掲げています。最後の最後で描かれる、渚左の母・千恵と七海の母・麗光の意味深な会話の意味は今後明らかにされていくはずです。
なお手塚氏は現在、映画『東京シャッターガール』を撮影中。原作は漫画家・桐木憲一氏が『週刊漫画ゴラク』にて不定期連載している同名の漫画作品であり、カメラを手にした女子高生の青春や、人々との触れ合いを描いた"ホラー"とは正反対の作品。こちらも今年公開を予定しています。
高校在学時に初めて制作した8mm映画『FANTASTIC★PARTY』が「日本を記録する8mmフェスティバル」高校生部門特別賞を受賞して以来、35年経った今でも、長編小説という新たな分野に挑む手塚氏。今後、どんな活動をしていくのか楽しみです。
【関連リンク】
・タソガレ文庫
http://www.takeshobo.co.jp/sp/tasogare/
・東京シャッターガール
http://www.tokyo-shutter-girl.net/