「男おひとりさま」に必要な、下心のない女友だち
- 『みんな「おひとりさま」』
- 上野千鶴子
- 青灯社
- 1,512円(税込)
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20世紀に入り女性が社会進出するようになると、自立した女性が一気に増えました。女性一人で食事や旅行などにでかけることが珍しいことではなくなり、そんな姿を「おひとりさま」と呼ぶようになりました。しかし、「おひとりさま」は女性だけのものではありません。
結婚をしたことのない人や結婚したが離婚してしまった人、もしくは伴侶に先立たれてしまった人......男性も「男おひとりさま」になる可能性があるのです。
「おひとりさまでも心から幸せに生きて、そして、幸せに死んでいける。不安にならなくてもオッケーよ」
こう語るのは、東京大学名誉教授で『おひとりさまの老後』『男おひとりさま道』の著者である上野千鶴子氏です。書籍『みんな「おひとりさま」』では、男性がおひとりさまとして、人生を幸せに生きていくには、「下心のない女友だちが大事」と忠告しています。無二の親友や男同士の友情も大切ですが、いざ何かがあった時に細やかに気を回し、手を貸してくれるのは、圧倒的に女性が多いというのです。
「ひとりの配偶者より、下心のない女友だちを何人持つか。男おひとりさまにとって、それは大事な資源です」(上野氏)
上野さんの取材によると、生き生きと暮らしている男おひとりさまは、「会社で出世していない」人が多いというのです。
「どの人も、職場や家庭ではない第三の居場所づくりを現役の時から実践してきた人たち。定年後への助走期間が長く、老後へとソフトランディングしています。彼らは妻と死別しても、そうした居場所でつくった同性、異性の友人たちに支えられ、うるおいのある生活を送っていました」
仕事で築いた人間関係に頼りすぎることは、あまりおすすめできないようです。それよりも、機嫌よく生きていくことを支えてくれる「ユル友」に囲まれている方が、将来的には安心なのではないでしょうか。
最後に、確かな「おひとり力」をつけるための10か条を紹介します。このルールを守った上で、下心のない異性の友人やユル友とつながることが重要です。
第1条:衣食住の自立は基本のキ
第2条:体調管理は自分の責任
第3条:酒、ギャンブル、薬物などにははまらない
第4条:過去の栄光を誇らない
第5条:ひとの話をよく聞く
第6条:つきあいは利害損得を離れる
第7条:女性の友人には下心をもたない
第8条:世代のちがう友人を求める
第9条:資産と収入の管理は確実に
第10条:まさかのときのセーフティネットを用意する
基本的なことのように思えるかもしれませんが、これらすべてをクリアできる男性はなかなかいません。「おひとりさまは自分には関係ない」と思っている人ほど要注意。常日頃から、いつかの「男おひとりさま」のために、準備をしておくことが大切なのです。