『ファミコン』は娯楽の枠を超えた生活の一部だった?

ファミコンの思い出
『ファミコンの思い出』
深田 洋介
ナナロク社
1,404円(税込)
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 米『TIME』誌が、1970年代から販売された最も偉大なゲームソフト100本を発表。公式サイトでは読者投票も行われており、「パックマン」「スーパーマリオブラザー ズ」が1位、2位を占めるなど、最新のハイクオリティなソフトではなく、ファミコン時代の人気作品が上位に食い込んでいます。

 古き良きあの時代を愛する人が、今でも沢山いるのでしょうか。

 そのファミリーコンピューターが、任天堂から発売されたのは、1983年7月15日のこと。ファミコン本体と同時に『ドンキーコング』『ドンキーコングJR.』『ポパイ』の3本のソフトが発売されました。

 ファミコンで遊んだ思い出を投稿するWEBサイト『思い出のファミコン』。ここに投稿されたエピソードをまとめた書籍『ファミコンの思い出』の著者・深田洋介氏も、当時のファミコンの位置づけに触れています。

 「『ファミコン』はゲームというただの娯楽の枠を超えた生活の一部でした。ファミコン遊びをとおして友だちと一緒に笑い、ときには勝負でケンカもしました。遊びたい気持ちを抑えて『1日1時間ルール』を守り、クリアのためには真剣に集中し、本気で謎解きに挑み、不条理なクソゲーに嘆き、さまざまな葛藤の上で一本のカセットを買う決断を下し、オトナの商売のずるさに悔しがったり......」(深田氏)

 確かに、発売当初のファミコンは、生活の一部だったといえます。寝ても覚めてもファミコンのことが頭にありました。また、子どもには「ゲームの制限時間」というものがあり、限られた時間内で集中して遊んだものでした。

 「僕たちにとってのファミコンとは、サブカルチャーでもオタクのものでも、ましてや害悪などではなく、子どもだった僕たちに人間関係や社会との接点を広げてくれる大切な相棒だったように思うのです」(深田氏)

 ゲームの完成度やインパクト以上に、私たちの人間形成に影響を与えたソフトが、「パックマン」「スーパーマリオブラザー ズ」といった古いゲームなのです。そう考えると、上記のランキングも納得ができます。

 「トイレに行くために立ち上がったら、コードが足にひっかかって強制リセット」「まほうつかいにつけていたのは好きな女の子の名前」(本文より)など、楽しいだけでなく、悲しく、恥ずかしい記憶も残るファミコンの思い出。あなたの偉大なゲームソフトベスト100には、ファミコンソフトは何位にランクインしていますか?

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